阪神・梅野 得点圏打率・667の勝負強さ “共に闘おう”トラッキー人形に込めた激励の思い

[ 2021年4月7日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6ー2巨人 (7回降雨コールド) ( 2021年4月6日    甲子園 )

<神・巨>西勇(左)とともにファンに手を振る梅野(撮影・北條 貴史)
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 阪神は6日、巨人との初戦に6―2で勝ち、今季の甲子園初戦を飾った。梅野隆太郎捕手(29)が、2回の先制打を含む2安打2打点の活躍で打線をけん引。今季得点圏で打率・667と驚異的な勝負強さを誇る。7回裏終了降雨コールドという運にも恵まれ、7勝3敗の首位で10試合を終了。苦しみ抜いた昨年とは一転、開幕ダッシュに成功した。

 聖地の“快幕”を告げたのは、梅野の快音だった。2回に迎えた第1打席。直前に佐藤輝の中前打で無死一、二塁と好機は広がった。初球も暴投となり二、三塁。“スイッチ”が入った。

 「テルのスタイルで思い切って振っているし、自分はそこで嫌らしいバッティングをするのが役割。打席の中で集中して結果が出れば良いと思ってる」

 3球目のカットボールを捉えて右前に運び先制点を叩き出した。新人のお膳立てをきっちり結果でモノにする頼もしさ。3回1死二、三塁でも右前適時打を放ち、巨人を序盤で一気に突き放した。

 この夜の2安打を含め得点圏では今季9打数6安打の打率・667。無類の勝負強さを「捕手というポジションで自分自身ああいう打席で集中するっていうのは、今シーズン目標にしてるし、チームの勝利打点に貢献したいなっていう気持ちがこういうふうにつながっている」と自己分析する。矢野監督も「7番、8番で何とか1点でも多く追加点を取っていくというところは、ビッグイニングにもなりやすい」と価値ある1本に目を細めた。

 お決まりの「BGM」は共闘の証だ。17年から本拠地での打席登場曲に使用する「Life」を歌うのは、福岡大の後輩・Bigfumi。歌手とアスリートで戦う場所は違っても、いつも気にかけてきた。「ずっと登場曲に使わせてもらってるし、自分が活躍することで向こうの刺激にもなれば」。例年、オフの会食で互いの近況報告もできていたが、今は直接会話することも難しくなった。

 コロナ禍で単独ライブやイベントが相次いで中止になる苦境はもちろん耳に入っていた。何か力になればと開幕前、後輩の自宅に届けたものがある。「お互い頑張ろうな」。昨年10月16日に今季6号ホームランを放ち、お立ち台に上がった際にもらったトラッキーの人形を贈った。4月24日にワンマンライブの決まったBigfumiへの激励でもあり、共闘宣言でもあった。

 「まだ始まったばかり。明日もあるし、積み重ねることが勝ち越しにつながる。相手はまた違う気持ちで来ると思うし、それを超えていけるように」。Life goes onの精神で頂点へ挑む。 (遠藤 礼)

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