片岡篤史氏 阪神・サンズのセーフティーバントは理解できる “チームのために”の姿勢は評価

[ 2020年9月27日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1-2ヤクルト ( 2020年9月26日    神宮 )

<ヤ・神(17)>6回無死一塁、サンズは投犠打を試みるも失敗(撮影・坂田 高浩)
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 【片岡篤史 視点】6回無死一塁でサンズがセーフティーバントを失敗した。ここ数試合は調子が良くなく、スアレスに対する打席内での感触も良くなかったのだろう。仮にあれが成功していれば称賛されるのだろうが、野球とはそういうものだ。本来なら4番として打って還してほしい場面だったが、チームのために何とかしようという姿勢が出たことを、ここでは評価したい。

 15日の東京ドームで大竹に徹底してインコースをつかれたのをはじめ、どの球団も厳しい攻めを見せてきている。試合に敗れてしまうと4番がクローズアップされるが、長いシーズン、当然のことながら波はある。ここまで彼にずいぶんと助けてもらったのは確かで、今こそ前後の打者、もしくは違うところで負担を軽くしてあげなければならない。

 首位・巨人とのゲーム差は大きく開いてしまったが、残りは37試合しかない。以前に矢野監督の「マジックが出たから、優勝が決まったからといって、手を抜くことはない」という言葉があったが、下を向いてはいけない。今年は新型コロナウイルスの影響で、開幕すら危ぶまれたシーズンである。5選手の新たな感染で戦力ダウンは否めないが、ファンへの感謝、野球への恩返しを胸に、もう一度、一丸となって試合に臨んでほしい。

 緊急昇格を果たした北條がセカンドで起用され、守れるということを示した。選択肢が一つ増えたことで、今季のここまでの不完全燃焼を取り返してほしい。3回のヒットエンドランは上手かったし、8回の遊ゴロも9球粘った末だった。相手が嫌がるプレーを期待されているのが北條。キャプテン代行となったいま、彼が持つ明るさを存分に発揮してもらいたい。

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