阪神・球児 区切りの日米通算250セーブへ「その日が来たときには、恩返しの日になるなと」

[ 2019年11月23日 08:30 ]

鳴尾浜を訪れ笑顔でキャッチボールする藤川(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 阪神の藤川球児投手(39)が22日、鳴尾浜球場で早くも来季に向け始動した。開幕が今季より9日早い3月20日になることを考慮し、背番号22がプロ22年目に向け、自身の代名詞である「火の玉ストレート」を想起させる異例のスピードスタート。来年7月21日に40歳を迎えるが、復活した守護神として2005年以来のリーグ優勝へ迷わず突き進む。

 【藤川に聞く】
 ――秋季キャンプに参加した若手とも久々に顔を合わせた。
 「あまり3週間でうまくはなれないですね。それはもうわかっているので。いい指導法で、監督もコーチ陣がMVPやということも言っていましたけど、3週間で選手の技量が上がるというのはほぼ難しい。だけど、その3週間の中で(山本)昌さんに習ったことというのを自分のキャリアの中で10年、15年する中のどこかで、そういうヒントが使える時がくるので。これを明日、明後日とか来シーズンにというのはほぼ無理だと思う。どこかの引き出しとして、球団もその思いで呼んでいたと思うので。そんなうまくならんで(笑い)。みんなうまくてプロ野球入ってきているんだから」

 ――これからいかに引き出しにするか。
 「まあ自分で捨てることもあるだろうし。合う合わないは人によって違うだろうしね。昌さんの引き出しはものすごく多いけど、昌さんは昌さんの土台があっての技術だから。土台をつくる段階の選手もいるし、その辺は臨機応変に。今の指導者は十分その力量をもっていますから」

 ――春季キャンプでの実戦も早まる。そこに合わせるのか。
 「合わさないですね。オープン戦とかって(自分には)全く意味ないからね。それは今年もそうだったし。最初、今年も少し苦しまされたけど。練習試合をしている中での他人からの評価というのが出るから。それってシーズンで結果を出して、毎年ちゃんと答えを出しているんだけど、ほとんどの人がわからない。落合(博満)さんが打席に立って球を見逃すという理由もわかる。僕らなんかは打たれてもいいからただ投げるみたいな」

 ――今年を踏まえて来年の難しさは?
 「ないない。全然ない。作戦を練っているくらいかな。どういう風に戦っていこうかなというのを。(五輪で)1カ月空く時があるから、そこまでにどう上げていくかというのを洗い直せる時期でもある。チーム全体として今年より上にというのが絶対条件だから」

 ――開幕1試合目に合わせるのか。
 「開幕の1試合目なんか誰も覚えていないからね。最後だよね。シーズンの最後まで見てから考えますよ。シーズンの最後ですよ。最後が大事と言い続けて、そういう結果を出してきているので」

 ――山本昌氏は来春キャンプも来る。
 「頭は柔軟な考えを持っていきたいけど、開幕に向けて戦いの準備をする場所なので、特別、指導というのは自分は必要ないと思いますけど。頭の中での体操というか、それぐらいという風に受け止めながら。自分が指導されることはないと思いますけどね」

 ――来季も抑え。
 「抑えだったですからね。現状抑えなので。その他でどうしても足りない、重要度がそちらにいけば、それでもかまわない」

 ――シーズン終盤はリリーフ陣がフル回転しただけに来年難しい部分も。
 「そうですね。選手を変えればいいんじゃないですか。それだけのことじゃないですか。選手を変えて。名前も背番号も関係ないですからね。タイガースが勝てばいいので。その中で自分たちがどうしていくかなので。後は個人の問題ですよね。個人とチームは別なので」

 ――来季も抑えをやっていけば日米通算250セーブも。
 「個人的には本当に通過していくものくらいに思っていますけど。興味は持っていないんですけど、自分のキャリアとしてたくさんの人にお世話になりながら、ファンの方にも応援してもらいながら、首脳陣にも使っていただきながら、という中で気づいたらあと7つまで来ているので。そう考えると区切りのいい250となった時には、もしかしたら、たくさんの人が喜んでくれるかもしれないので。そういう意味ではその日が来たときには恩返しの日になるなとは、このオフは少し考え方を変えました」

 ――優勝への思いは年々高まっている。
 「ずっと強い。けどアメリカも行っているし、ただまたこうやってタイガースでやって、自分が順調に成長してきた中で、何とか自分たちが支えられている間にとは思っている。それが来年できそうではある。球団も必死になって勝とうとしているので、自分たちがやれてるうちにどうにか若い選手が頑張ってくれたらと。成長は待っていられないからね」 

続きを表示

2019年11月23日のニュース