広島6位指名の丹生・玉村、ドラ1森下に異例の弟子入り宣言「投げ方が理想的」

[ 2019年10月22日 05:30 ]

記念写真に収まる(左から)尾形スカウト、高山スカウト、玉村、丹生高校・春木監督、同丸山部長
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 広島からドラフト6位指名を受けた丹生・玉村昇悟投手(18)は21日、福井県丹生郡の同校で高山健一、尾形佳紀の両スカウトから指名あいさつを受けた。同じく1位指名された明大・森下暢仁投手(22)の投球フォームを手本として、実力を磨いてきたことを明かした147キロ左腕は、憧れの人に弟子入りして全てを吸収するため、一日でも早い1軍昇格を誓った。

 玉村にとっては、二重の喜びだった。広島から指名を受けたことと同様、森下と同じユニホームを着られる偶然が幸せだった。「ビックリしましたし、とてもうれしかったです。近くにいるんだ…と思って」。まだ表情にあどけなさの残る147キロ左腕は、笑顔で声を弾ませた。

 夏の福井大会を控えた今年5月、丹生・春木竜一監督(47)から一枚の写真を見せられた。森下のリリース時のものだった。

 「僕は胸を上に向けて投げるイメージを持っていますが、投げ方が理想的でした」

 以来、動画サイトを見て猛研究。胸を張り、体の縦軸で投げ下ろすフォームを固めて最後の夏に挑んだ。決勝で敦賀気比に敗れたが、計42回1/3を投げ大会新記録の52奪三振をマーク。全国にその名を知らしめ、評価を上げた。

 一定の結果は示したが、フォームはまだ完成の域には達していない。「あとで見返したら、全然できていなかった」。春木監督も「まだ(完成度は)5~6割くらい」と言う。

 だからこそ“師匠”の存在は心強い。森下はすでに春季キャンプの1軍スタートが内定しており、順調なら開幕も1軍で迎える可能性が高い。一方で、玉村はまずは2軍での体づくりがメインとなる。「年齢も違うし、すごすぎて同期とは思えないですが、機会があれば、いろいろ聞かせていただきたい」と“弟子入り”のため、早期の1軍昇格を目指す。

 担当の高山スカウトは「左打者の内角に投げ込めるのが一番の魅力。体ができれば、3年くらいで出てきてもらいたい選手」と期待する。

 広島は昨年の修学旅行で訪れた。「応援も赤一色ですし、街にもカープのものが常にある。地元に愛されている」と、一足早く地域の「愛」を肌で感じてきた。野球に集中でき、お手本も身近にいる環境。潜在能力を解放する舞台は整っている。(桜井 克也)

 ▼玉村 昇悟(たまむら・しょうご)2001年(平13)4月16日生まれ、福井県越前町出身。宮崎小4年から「宮崎ファイヤーズ」で野球を始め投手兼内野手、外野手。宮崎中では軟式野球部に所属。丹生では1年春の県大会から背番号17でベンチ入りし同秋からエース。最速147キロで2種類のカーブとチェンジアップを操る。家族は両親と兄、妹。好きなプロ野球選手は松井裕樹(楽天)。50メートル走6秒5。1メートル77、75キロ。左投げ左打ち。

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