広島・松山、意地の2ラン「食らいついていった」拙守に笑顔なし

[ 2019年4月12日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2―6ヤクルト ( 2019年4月11日    マツダ )

6回2死一塁、松山は右中間に2点本塁打を放ちナインとタッチ (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 広島・松山竜平外野手(33)は11日のヤクルト戦で、2号2ランを放った。2回の一塁守備では適時失策を犯して、3回から左翼守備に変更された中での意地の一発だった。しかし、反撃及ばず4連敗。球団優勝年の最多借金である1979年の借金6に並ぶデッドラインからの逆襲に期待したい。

 打たなければ、居場所がなくなっていたかもしれなかった。6点劣勢の6回、松山は1ボール2ストライクから寺原のフォークを右翼席に運んだ。大量失点に引きずられるように無得点だった打線を刺激する2号2ラン。ただ、守備のことを思えば笑顔はなかった。

 「何とか1点返したいという気持ちで食らいついていった」

 一塁守備で、どん底にいた。2回、5点差に広がってなお1死満塁、雄平の中途半端なバウンドのゴロを合わせることができずに弾く適時失策を犯した。前日10日も、延長10回に二塁へ悪送球して、1イニング12失点の引き金となった。リーグ最多タイの4失策。3回の守備から西川と入れ替わって、今季初の左翼守備を命じられた。左翼は長野、バティスタ、西川らが控える激戦区。生き残るには、打つしかなかった。

 試合途中での異例の守備位置変更に、高ヘッドコーチは、「松山の一塁の失策が多すぎる。この形になっていくかもしれない」と説明した。この日の試合前練習から、春季キャンプ中も外野中心だった西川の一塁守備を再開したばかり。早速、応急処置を適用したのは苦肉の策だった。

 それでも、松山の一発以外に得点は生まれなかった。この日は8安打でも、22イニング連続で適時打はない。借金6は、球団優勝年の最多借金だった1979年に並んだ。しかし、当時、借金6を背負ったのは5月20日。開幕12戦目で下を向くような王者ではない。

 本拠地でヤクルトに同一カード3連敗となった緒方監督は、「地元で勝てずに、ファンの方に申し訳ない。明日から遠征に出るけど、立て直せるようにやるだけ」と言った。リーグ4連覇への過酷の試練は、乗り越えるためにある。(河合 洋介)

続きを表示

2019年4月12日のニュース