赤星憲広氏 輝不在の阪神打線で存在感放つ糸原&渡辺 異なるスタイルで競い合い4番・大山にも好影響

[ 2024年5月18日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2-4ヤクルト ( 2024年5月17日    甲子園 )

<神・ヤ>6回、ともに適時打を放ち、グータッチをする糸原(左)と大山(撮影・平嶋 理子)
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 【赤星憲広 視点】阪神・佐藤輝が降格している間、三塁で先発出場している糸原がいいアピールを続けている。6回2死一、三塁で中前適時打。代わったばかりの丸山翔の、カウント2―2からのスライダーに食らいついた。この食らいつく姿勢が持ち味で、つなぎも、チャンスメークもでき、そして好機に強い。長打が少ないので本来はクリーンアップのタイプではない。しかし好機に強い特性を生かすなら今のメンバーでは打順5番が合っている。

 渡辺も6回先頭で代打で右前打。15日の中日戦は三塁で先発出場して1安打1四球。左打席と右打席、それぞれスタイルの異なるこの糸原と渡辺がファームにいる佐藤輝に“戻ってこなくても大丈夫”“ずっと2軍でどうぞ”とメッセージを送っているかのように競い合っている。4番・大山にも、必ず好影響を及ぼすと思う。

 その大山も2安打と兆しは見えた。岡田監督と試合前に話をした時、大山が打撃練習から左肩を意識しているのがうかがえた。これまで構えた時に左肩が捕手側に入り込み、ボールを呼び込む時にはさらに背中の背番号3が投手に向いてしまっていたのが、この日は本塁ベースに平行になるよう構えていた。それによって6回の右前適時打は、内角の真っすぐに差し込まれながらも右前まで運ぶことができた。

 16日の中日戦で4番に入って3ランを放った原口を含め、これまでベンチスタートだった選手たちの頼もしさも、連覇を目指す上では欠かせない。(スポニチ本紙評論家)

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