ヤクルト・村上がセ最速10号 619日ぶり甲子園弾で青柳からは10本目も「通過点」

[ 2024年5月18日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト4―2阪神 ( 2024年5月17日    甲子園 )

<神・ヤ>3回1死一、二塁、村上は10号3ランを放つ(投手・青柳)(撮影・大森 寛明)
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 神の真骨頂だ。ヤクルト・村上が放った両リーグ最速となる10号3ランは希代のスラッガーの凄みが凝縮された納得の一発だった。

 「(空振り三振の)1打席目はクイックでやられたので。タイミングだけ合わせて振りにいった」

 1―0の3回2死一、二塁。2ボールから青柳が投じたやや内角寄りの低めのシュートに反応した。体を開かず、手首を返さなかったからこそ、低めの厳しいコースを右中間席まで運べた。ドジャース・大谷をほうふつさせるクリケットのようなスイング。青柳からは投手別ではDeNA・大貫に並んで最多の通算10本目となった。

 甲子園特有で、左打者に不利とされる右翼から左翼への強い浜風が吹いていた。同球場での本塁打は22年9月6日以来、619日ぶり。強風も切り裂くパワーに「ちょっと先だったけど、浜風に負けずに入ってくれて良かった」とうなずいた。

 日々、村上と意見交換する大松打撃チーフコーチは「ゴロアウトが多い青柳投手に対し、フライを上げるようにしっかりボールに入っていけた。ここ最近でも非常に良い対応」と絶賛する。15日の広島戦で史上最年少で通算200本塁打を達成。村上は「通過点。200本、打って僕の野球人生は終わりじゃない」と冷静だが、2戦連発は状態が上向いている証だ。同コーチは「節目に到達して本人の気持ちも変わったと思います。今日はニコニコしながら打撃練習をしていた」と心理面の変化を口にした。

 6年連続となる2桁到達。「村神様」が今季に本塁打を放てば10試合で8勝1敗1分けとなった。「4番はチームの勝利を左右する打順。しっかり引っ張っていければ」。勝利をつかさどる神の化身は、頼もしく言い切った。(重光 晋太郎)

 ≪両リーグ2桁一番乗り 同日達成2年連続は初≫村上(ヤ)の両リーグ10号一番乗りは、21年以来2度目。1人で2度以上は王の5度を筆頭に史上15人目。チームではバレンティン(3度=11、12、14年)に次ぎ2人目で、日本人では初だ。また、24歳までに2度目の10号一番乗りは53、55年中西太(西鉄)の22歳に次ぐ年少2位。セの打者では63、65年王貞治(巨)の25歳を抜く最年少記録になった。なお、山川(ソ)もこの日10号。複数選手が両リーグ10号一番乗りは牧(D)、万波(日)、浅村(楽)で記録した昨年に続き4度目で2年連続は初。

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