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U23日本代表 8大会連続五輪決めた!エース細谷2戦連発で決勝進出「優勝してパリに行けるように」

[ 2024年5月1日 04:45 ]

サッカーパリ五輪予選兼U―23アジア杯カタール大会準決勝   日本2―0イラク ( 2024年4月29日    ドーハ )

<日本・イラク>前半28分に先制ゴールを決める細谷(撮影・小海途 良幹)
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 大岩ジャパンがパリ切符を手にした。U―23日本代表は準決勝のイラク戦に2―0で完勝し、今夏のパリ五輪出場権を獲得。FW細谷真大(22=柏)が前半28分に2戦連発となる先制ゴールを決めた。22年3月のチーム発足当初からチームを支えてきたエースの覚醒が96年アトランタ大会から続く8大会連続出場に導いた。3日(日本時間4日午前0時半)の決勝では、リオ五輪出場を決めた16年大会以来2度目の優勝を懸け、ウズベキスタンと対戦する。

 後方からのパスは左足に吸い付くように止まった。細谷は華麗なトラップから相手DFをあざ笑うように体をターンさせ、右足インサイドでゴール右を狙い澄ました。「難しい形だったけど落ち着いてできた」。前半28分、MF藤田の縦パスに抜け出しパリ切符に導く先制弾が決まった。殊勲のエースは歓喜に沸くベンチの仲間に体を預けた。

 ピッチの最前線、もう、もがき苦しむ姿はなかった。序盤から数え切れないほどDFラインの裏を狙う動きを繰り返した。得点は藤田との呼吸がピタリ合った瞬間だ。4月25日のカタール戦で長いトンネルを抜けた。昨年11月25日の鳥栖戦以来、公式戦では約5カ月ぶりのゴールで目が覚めた。「やれることを証明できた」。もう心配はない。

 過去の成功体験が糧になった。柏U―18時代の18年1月、世界の強豪クラブのユース年代が参戦するアルカス杯に出場。計5得点で大会MVPに輝いた。Rマドリード戦では2得点で金星を演出。過去2年間は歯が立たなかった相手だったが、ハードワークを続けることが成功につながることを知った。くしくもドーハが会場だった。だからこそ無得点が続き周囲から批判にさらされても、愚直に裏を狙い続けた。

 大岩ジャパンは22年3月に発足。当初は学生とプロの混合でバラバラだった。当時明大のMF佐藤は「プロでやってる人と高校生や大学生の混合チーム。壁もあったし、怖かった」。藤田も「人見知りも多く話す機会もなかった」と言う。明るいGK小久保が潤滑油となり、ピッチ内でけん引したのが常連組の細谷だった。今ではお互いが「ファミリー」と言い合う関係になった。

 ドーハでのイラク戦で2点を奪うのは31年前と同じだが、もちろん「悲劇」は起きなかった。試合後、パリ切符獲得の歓喜に沸く仲間を見ながら細谷は「優勝しかない。優勝してパリに行けるように」と気を引き締めた。最終目的地は68年メキシコ大会以来となるメダル獲得。まずはアジアの頂点を経由し、花の都へ向かう。

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