【玉ノ井親方 視点】尊富士と若元春 どちらが三役力士なのか分からない一番

[ 2024年3月22日 21:13 ]

大相撲春場所13日目 ( 2024年3月22日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲春場所13日目>尊富士(右)は寄り切りで若元春を破る(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 どちらが三役力士なのか分からない一番だった。尊富士が110年ぶりの新入幕Vに王手をかけた。立ち合いから若元春を圧倒。相手のかち上げをものともせず、すぐに左を差して前に出る。土俵際まで押し込んだ後に横に振ってもろ差しになると、そのまま寄り切った。

 若元春にすればまわしを取れば何とかなると思っていたかもしれないが、出足の圧力とスピードが全く違った。今場所、2大関を破るなど好調をキープしていた関脇が猛威を振るう“尊富士旋風”になすすべなく吹き飛ばされた感じだった。

 ハートの強さも並ではない。賜杯が目の前にチラついてきたら普通は硬くなるものだが、そういう雰囲気が全くない。所属する伊勢ケ浜部屋には横綱がいて、稽古相手も豊富。彼らと切磋琢磨(せっさたくま)してきた自信が精神力の強さにつながっているのだろう。
(元大関・栃東) 

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2024年3月22日のニュース