【玉ノ井親方 視点】尊富士は豊昇龍に敗れ連勝ストップ「自分の形になって喜んで前に出すぎた」

[ 2024年3月21日 20:10 ]

大相撲春場所12日   ○豊昇龍(小手投げ)尊富士●、○琴ノ若(小手投げ)大の里● ( 2024年3月21日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲春場所12日目>尊富士(奥)は豊昇龍の小手投げで転がされた(撮影・井垣 忠夫)
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 尊富士の連勝が止まった。取組前は前日の琴ノ若に続き、その勢いで豊昇龍を飲み込むかと思われたが、相手は優勝経験のある大関、そう甘くはなかった。

 相撲自体は悪くなかった。立ち合いでしっかり当たってすぐに左を差した。そこから間髪を入れず前に出た。尊富士の流れ。ただ、あまりにも自分の思い通りの展開になったため、喜んで前に出すぎた。

 大関にうまくその力を利用され、右に回り込まれて小手に振られると、そのまま投げられてしまった。

 寄るときは差し手側に動くのが相撲の鉄則。だが、差し手と逆の右側に力が傾きながら出ていってしまった。そのため、大関が右から投げを打つ余裕ができた。ちょっともったいない相撲だった。

 1敗で続いていた大の里も敗れ、3敗で琴ノ若、豊昇龍、大の里、豪ノ山が続く展開になった。まだ2差あるとはいえ残り3日、優勝争いがどうなるかは全く分からない。

 大の里は右を差して一気に出ようとしたが、琴ノ若にうまく横にいなされ、小手投げを打たれると、そのまま土俵に崩れた。上体の動きに足がついていっていない感じだった。

 あれだけの大きな体だから、下位の力士と対戦している時は投げを打たれることもほとんどないだろうが、役力士にはそう簡単に自分の相撲を取らせてもらえない。この一番を見る限り、横の動きに少し課題があるように思えた。(元大関・栃東)

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