山下美夢有 大会連覇でツアー史上6人目の2年連続年間女王 パリ五輪は「凄く出たい」

[ 2023年11月27日 04:41 ]

女子ゴルフツアー ツアー選手権リコー杯最終日 ( 2023年11月26日    宮崎県 宮崎CC=6497ヤード、パー72 )

優勝しフラワーシャワーの祝福を受ける山下美夢有(撮影・西尾 大助)
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 山下美夢有(22=加賀電子)が熾烈(しれつ)な女王争いを堂々の大会連覇で制し、ツアー史上6人目で最年少となる2年連続年間女王に輝いた。首位から4バーディー、2ボギーの70で回り、通算10アンダーに伸ばして今季5勝目、ツアー通算11勝目。今季の平均ストロークは69・4322で史上最少を記録するなど部門別で18冠を達成、2年連続の年間獲得賞金2億円突破も史上初と記録ずくめの女王戴冠となった。

 一打にこだわってきたから、今の強さがある。3打差で迎えた最終18番で下り1・5メートルのパーパットを「パーとボギーで上がるのとは全然違う」とねじ込んでウイニングパットにした。大会連覇で堂々の2年連続女王戴冠。今季も日本ツアーの主役は山下だった。

 「もう一言、凄いうれしい気持ちです。プレッシャーは去年よりもあった。一生に残る試合になりました」

 首位で迎えた最終日は2ボギーが先行も、4バーディーを奪い返して70で逃げ切った。史上初の2季連続平均ストローク60台を達成。さらに69・4322は女王を争った元世界ランク1位の申ジエの記録を抜く新記録だ。精度が増したショットがあるから、2年連続のNo・1に輝けた。

 今季は海外メジャーでの上位争いを目標に掲げた。しかし3戦で一度もトップ20に入れなかった。「悔しかった」。帰国後は熱中症など体調を崩し、ショットも不調に陥ったこともある。父でコーチの勝臣さん(48)と懸命の調整。母・有貴さん(47)からは「私らの仕事も良い時ばっかちゃうで」と励ましてもらった。偉業達成の裏には家族の支えがある。

 最終戦で勝ちたい理由もあった。今季19戦でバッグを託した松村卓キャディー(50)が9月の試合中、持病の脳梗塞もあって体調不良で緊急搬送された。3年前からタッグを組む相棒。優勝直後に号泣する松村キャディーの姿に「また一緒に優勝できてうれしい」と思った。優しくて強い22歳なのだ。

 メジャーはもちろん、24年にはパリ五輪もある。「オリンピックはやっぱり特別。凄く出たい」。今度は世界を舞台に、美夢有の名をとどろかせる。

 ▽ゴルフ「五輪への道」 世界ランキングに基づいた五輪ランキングで男女とも上位60人が資格を獲得する。15位以内なら各国最大4人まで、16位以降は最大2人まで出場できる。男子は24年6月17日、女子は24年6月24日の五輪ランキングで出場選手が決定する。

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