久常涼 21歳の大器25戦目快挙!プロ初Vが欧州ツアー 青木、松山以来日本人3人目

[ 2023年9月26日 04:44 ]

欧州ゴルフツアー フランス・オープン最終日 ( 2023年9月24日    フランス・パリ近郊 ル・ゴルフ・ナショナル=7247ヤード、パー71 )

男子ゴルフのフランス・オープンで優勝し、トロフィーを掲げる久常涼(ゲッティ=共同)
Photo By ゲッティ=共同

 4打差5位から出た久常涼(21=SBSホールディングス)が7バーディー、2ボギーの66で回り、通算14アンダーでプロ初優勝を飾った。バックナインだけで5つのバーディーを奪う猛チャージによる大逆転で、日本人の欧州ツアー制覇は青木功、松山英樹に次ぐ3人目の快挙。来季の米ツアー出場権獲得にも大きく前進した。

 怒濤(どとう)のラッシュだった。24年パリ五輪開催コースで、久常は9番パー5のバーディーで波に乗った。10番で7・5メートルを沈めると12、13番は1メートルにつけ、連続バーディー。その後もバックナインだけで5つ伸ばし一気に首位に浮上。アテストの部屋でテレビを見ながら後続を待った。最終組まで見届け、オフィシャルから優勝を告げられると笑顔がはじけた。

 優勝インタビューには堂々、英語で応じてみせた。「現実とは思えない。だけど勝った。とてもハッピー」と喜んだ。リーダーボードからは目を背け「アグレッシブにゴー、ゴー、ゴーッと。とにかく集中していました」と話す。優勝賞金は8000万円超。「明日、日本に帰ります。ビジネスクラスにしようかな」とおどけた。

 渋野日向子と同じ岡山・作陽高の出身で高校3年時の20年にプロ転向。21年には日本の下部ツアーで3勝し、ツアー出場権をつかんだものの未勝利だった。昨年11月に欧州ツアーQTで7位に入り、今季の出場権を獲得。これまで24戦で既にトップ10入り6度を数えていた21歳の大器が、プロ初優勝を欧州ツアーで飾る快挙を成し遂げた。

 年間ポイントも11位に浮上、同10位以内には来季米ツアー出場資格が与えられるが、既に有資格保持者を除けば7番手と圏内に入ってきた。「米ツアーでプレーしたい。それが良い結果を残すことに集中させてくれている」と話す。26日には帰国し、地元岡山に凱旋する。次戦は10月12日開幕の日本オープン(大阪)に出場予定。久常の夢にはまだまだ続きがある。

 ◇久常 涼(ひさつね・りょう)2002年(平14)9月9日生まれ、岡山県出身の21歳。3歳でゴルフを始める。岡山・作陽高1年時に全国高校選手権を制し、同3年時の20年12月にプロ転向。ルーキー年の21年に下部ツアーで3勝し、レギュラーツアー出場権をつかむと出場7戦で賞金ランク50位となり初シードを獲得。今季1Wの平均飛距離は301・34ヤード。1メートル75、75キロ。

 ▽欧州ツアー 1972年に発足し、欧州を中心にアジアやアフリカ、米国でも開催。昨年からUAEの港湾管理会社「DPワールド」が命名権取得。今季は26カ国で36大会以上を予定。賞金、世界ランク加算ポイントは米ツアーに次ぐ規模で年間ポイント10位以内(有資格者除く)に来季米ツアー出場資格が与えられる。過去の日本人優勝者は78年世界マッチプレー、83年欧州オープンを制した青木功、いずれも米ツアーなどを兼ねる16年HSBCチャンピオンズ、17年WGCブリヂストン招待、21年マスターズを制した松山英樹。今季は川村昌弘、昨季の日本ツアー賞金ランク1~3位の資格で比嘉一貴、星野陸也、岩崎亜久竜も参戦中。

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年9月26日のニュース