～西川哲のゴルフ新理論～レッスンの誤った常識を正す　⑩　ピッチエンドラン

[ 2023年9月15日 12:00 ]

　スコアメークをする上でもグリーン周りからのアプローチは大切です。西川哲プロによれば、まずはピッチエンドランをしっかりと身につけるべきだと言います。実際、通常のラウンドなら、それだけでかなりのアプローチをカバーできるはずです。そのためには右手1本での練習が効果的とのこと。どのような内容かじっくり教えてもらいましょう。パートナーは女優の馬場奈々瀬さんです。【【動画で見る・～西川哲のゴルフ新理論～レッスンの誤った常識を正す⑩】

　馬場　私にとって、アプローチを成功させることはかなりハードルが高いんですけど、どうすれば良いでしょうか？

　西川　確かに馬場さんのようなビギナーに、寄せワンを求めるのは厳しいかもしれません。でも、ショットよりは確実にボールをヒットできるわけですから、正しい打ち方さえ身につければ、すぐにピンに寄るようになりますよ。

　馬場　本当ですか？

　西川　まずは、アプローチの基本とも言えるピッチエンドランをマスターしましょう。ある程度ボールを上げたら、あとは転がしていく打ち方になります。

　馬場　難しそうですね。

　西川　慣れれば簡単ですよ。ただ、ボールを上げようとする動きだけはNGなので気をつけましょう。まず、クラブはアプローチウエッジでもサンドウエッジでも構いません。ボールを右足親指の前にセットしてハンドファーストの形で構えます。あとは、クラブを上げて下ろすだけです。

　馬場　どうしてボールを右足寄りに置くのでしょうか？

　西川　いいところに気がつきましたね。このアプローチではダウンブローの軌道で打ってほしいんですよ。ボールを右足寄りに置いた方が、ダウンブローに打ちやすいですからね。

　馬場　ダウンブロー？

　西川　クラブヘッドを上から下に下ろす軌道を言います。その途中にボールがあるイメージです。ヘッドをボールの横から下ろそうとしたり、すくい打つと、ボールの手前にある芝ごと打ってしまいがちです。これだと距離感が合わなかったり、ミスの幅が広がってしまいます。逆にダウンブローなら、ラフに入ったボールでもうまくとらえることができるんです。

　馬場　私にもできますか？

　西川　もちろんです。まずは次のドリルを実践してみましょう。クラブを右手1本で持ち、ヘッドを上から下に下ろすイメージで素振りを繰り返します。うまく振り抜けるようになったら、実際にボールを打ってみます。もちろん、右手1本ですよ。

　馬場　難しそうですね。

　西川　手首を柔らかくしておき、腕の力を抜いて打つのがポイントです。これができるようになると、両手でボールを打ったときに自然とダウンブローの軌道になります。

　馬場　距離感などはどうすれば良いんですか？

　西川　振り幅の大きさで調整します。あらかじめ自分なりにこの振り幅だとこれぐらいの距離が出ると把握しておきましょう。基本的には、テイクバックは小さめがお勧めです。その方がインパクトでボールを強くヒットできるので、上り傾斜やピンが奥にあるときなど、転がってほしいときに有効です。ただし、インパクトで動きを止めないこと。インパクト後はヘッドを目標に向かって出していきましょう。

　（取材協力・バーディ赤坂24）

　◇西川　哲（にしかわ・てつ）1968年（昭43）5月2日生まれ、東京都出身の55歳。12歳でゴルフを始め日体荏原高時代に日本ジュニア優勝。88年プロテストにトップ合格。91年マルマン・オープンでツアー初V。通算3勝。18年からシニアツアーに参戦。今季から女子プロの植竹希望を指導している。

　◇馬場　奈々瀬（ばば・ななせ）1995年（平7）7月7日生まれ、福岡県出身の28歳。12歳でテニスを始め柳川高時代にインターハイ出場。卒業後に女優活動を始め舞台「路地裏物語」の出演や東海ろうきんwebCM、外務省リーフレットモデルなどで活躍中。