【バスケW杯】ホーバス・マジック再び!五輪銀の女子に続き男子も快挙導く 「私を信じて」貫いたスタイル

[ 2023年9月2日 21:56 ]

バスケットボール男子W杯順位決定リーグO組   日本―カボベルデ ( 2023年9月2日    沖縄アリーナ )

カボベルデ戦で指示を出す日本のホーバス監督(ロイター)

 バスケットボール男子W杯の順位決定リーグO組で、日本がカボベルデを下して今大会のアジア勢1位を確定させ、24年パリ五輪の出場権を獲得。自力での五輪切符は76年モントリオール五輪以来、48年ぶりとなった。トム・ホーバス監督(56)は21年東京五輪で女子日本代表を日本バスケ史上初の表彰台に導いたのに続き、男子代表でも快挙を成し遂げた。

 ホーバス監督は21年東京五輪で女子日本代表を率い、銀メダル。その手腕が評価され、同9月に男子の代表に抜てきされた。男子の本格的な指導経験がない中、速いテンポから3点シュートを多用する女子と同じスタイルを導入。初陣で中国に完敗するなど就任直後は結果が出なかったが「私は皆さんを信じています。だから私を信じて下さい」と選手に訴え続けた。

 選手から「トムさん」と慕われる熱血漢。昨年8月の強化試合ではシュートへの積極性を欠いた河村に激怒した。即座にベンチに下げ「シュートを打たないとドライブも生きない」と説教。これを機に河村は得点への意識が上がり、22~23年Bリーグで日本人最多得点を記録した。NBAを目指す馬場には外からのシュート精度を上げる必要性を指摘。米国でのシーズンを終えた馬場が4月に帰国後は連日シュート練習に付き合った。

 就任当初は実業団の女子と違いプロでプライドも高い男子との距離感に苦慮したが、チーム作りを進める中で信頼関係の築き方に男女差がないことを確信。女子監督時代と同様に選手を信じて気持ちでぶつかった。どれだけ怒号を浴びせても信頼が揺るがないのは「Beleave」という言葉を大切にしているからに他ならない。90年に日本人女性と結婚して2人の子供がおり、日本語は堪能。細かい表現が分からないこともあるが「自分の言葉じゃないと気持ちは伝わらない」と通訳は使わない。

 90年に来日し、トヨタ自動車でプレー。選手をしながら会社員として日中にはデスクワークもこなした。1年目から活躍して4年連続得点王を獲得。日本での活躍が評価され、94年にはNBAホークスと契約し、2試合に出場した。世界最高峰リーグの舞台に立つ夢をかなえ「日本に来なければNBAでプレーできなかった」と日本バスケ界への感謝の思いは強い。

 パリ五輪切符がかかるこの日の大一番ではカボベルデに勝利。ホーバス監督に導かれて5試合を戦い抜き、チーム一丸でパリ切符を手にした。

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