大出瑞月が66で暫定首位!仙台育英・須江航監督の「人生は敗者復活戦」を胸に好発進

[ 2023年8月24日 17:25 ]

女子ゴルフツアー ニトリ・レディース第1日 ( 2023年8月24日    北海道 小樽CC(6695ヤード、パー72 )

<ニトリレディース・初日>18番、ラウンドを終え笑顔を見せる大出瑞月(撮影・西尾 大助)
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 プロ8年目の大出瑞月(25=フリー)が5連続を含む7バーディー、1ボギーの66で回り、6アンダーで暫定単独首位に立った。前日、夏の甲子園で準優勝した仙台育英(宮城)・須江航監督(40)の大ファンで数々の名言を胸にプレーし、悲願の初優勝へ好発進した。雷雲接近に伴う天候回復が見込めないため、サスペンデッドとなり、20組60選手が競技を終えられなかった。

 はるか西の甲子園からの檄(げき)が耳によみがえった。大出は「仙台育英の須江監督が大好きで(ピンチに)“切り替えろ、切り替えろ!”と言っていたのを思い出してそれが良かったのかも」と笑った。前半は耐える展開、12番から一気呵成。最難関の16番では狙いよりワンピン右に出た残り175ヤードの2打目が1メートルに寄るスーパーショットとなり、5連続バーディーを完成させた。

 前日の甲子園決勝にはテレビに釘付けだった。試合中、仙台育英の劣勢に飛び出たのが「切り替えろ」の檄だった。元々、須江監督の「鼻筋が好きで」ファンになったのが5年前。その後は数々の名言にも魅了され、昨年の「青春ってすごく密」には涙し「人生は敗者復活戦」は自身に重ねる。「私もプロ8年目でまだ勝ってないし…人生としては敗者なんで(笑い)」。一字一句が身に染みた。

 大出も中学までソフトボール部だった。主に二塁手と代打で「外角低めをフェードで打つのが得意だった」と笑わせる。実は父・茂美さんが関東学園高の一員として86年の選抜に出場経験を持つ。「レギュラーでした。で、最後のバッター。家には甲子園の土もあります」。甲子園とも無縁ではなかった。

 「しぶこ」の名付け親としても知られる大出は前週、初Vを飾った蛭田と同じ97年度生まれ。黄金世代の1つ上で「私たちは名前もないと言うか、何も始まってない世代」と話す25歳。ショットが狙いより数センチずれただけで落ち込む完璧主義者だが「切り替えろ!」の言葉で少しだけ自身を許容できた。2日目以降も須江監督の言葉を胸に悲願の初Vへ突き進む。

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