柔道・阿部兄妹 冠イベント初開催に感慨「できるところまで来たんだな」

[ 2023年6月10日 19:16 ]

冠イベントの「ABE CUP 2023」の横断幕と共に、参加した小学生たちと記念撮影に応じる阿部一二三(手前左)と詩(同右)の兄妹
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 柔道の阿部一二三、詩(ともにパーク24)の東京五輪金メダル兄妹が発案し、日本オリンピック委員会(JOC)などとともに主催する少年少女を対象としたイベント「ABE CUP 2023」が10日、兵庫県姫路市の兵庫県立武道館で開かれ、初日のこの日は兵庫県在住・在学の小5、6年生計283人を相手に柔道教室が行われた。

 イベントは昨年10月の世界選手権後、2人で食事中に「ボソッと」(詩)どちらからともなく提案し、実現化に動き出した。2人はJOCの定める「TEAM JAPAN シンボルアスリート」になっており、ソーシャルアクション事業として具体化。「子供たちと触れあう教室か、試合か。わがままを言って、どっちもやりたいと」(一二三)と、2日間開催で実現した。

 柔道教室では一二三が背負い投げや袖釣り込み腰、詩が内股や体落とし、大内刈りを指導。それぞれが助言を送りながらお手本を見せると、現役金メダリスト2人の迫力たっぷりの技に、子供たちも感嘆の声を漏らした。

 充実した2時間を終えた一二三は、「現役中にやれて良かった。自分は子供のころ、あまりトップ選手と触れ合うことがなかったので、みんなに機会を作れて良かった」と笑顔で話した。記念すべき第1回を地元・兵庫で開催することにもこだわったそうで、「こんな大会をできるところまで(選手として)来たんだなと思う」と感慨深げだった。

 詩は以前から将来的に指導者になり、海外で柔道を教える夢を持っており、「小学生と触れ合えて良かった反面、(指導する上で)疑問点も浮かび上がった。柔道人生で将来に向けてもスタートできた」と多くの収穫があった様子。将来的に大会を海外進出させる夢も持っており、「フランスなど柔道の人気国で開くのがこの先の目標」と目を輝かせた。

 イベントはあす11日、同会場で試合が行われる。

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