渋野“野球打ち”グリップで5バーディー「打ってみたらありゃ?意外といいな」

[ 2023年6月9日 04:44 ]

女子ゴルフツアー 宮里藍サントリー・レディース第1日 ( 2023年6月8日    兵庫県 六甲国際GC=6513ヤード、パー72 )

12番、ともにバーディーの渋野日向子(左)と山下美夢有は笑顔(撮影・井垣 忠夫)
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 今季国内ツアー2戦目のホステスプロ、渋野日向子(24=サントリー)は5バーディー、3ボギーの70で回り、24位につけた。10本の指全体で野球のバットのようにクラブを握る「テンフィンガー」にグリップを変更し、まずまずの滑り出しを見せた。岩井千怜(20=Honda)が1イーグル、7バーディーの63で首位に立った。今大会の上位2選手に8月のAIG全英女子オープンの出場資格が与えられる。

 父・悟さんの勧めでグリップの握り方を一新し、“Newしぶこ”をお披露目した。

 「今週バレないようにやろうと思っていたのにそりゃバレるわな。(最初)握った感覚はこれ振れるんかな?と思いましたけど、打ってみたらありゃ?意外といいな」

 元々は右手の小指と左手の人さし指を絡めて握るインターロッキンググリップだったが、今大会から10本の指で握るテンフィンガーグリップに変更。別名ベースボールグリップと呼ばれる握り方で、渋野は「特大ホームランを打っている感じ」と豪快に笑った。

 インスタートの10番では4メートルを沈めて、バーディー発進。15番パー4では、残り112ヤードの2打目を80センチにピタリと寄せ、楽々バーディーを奪った。一時4アンダーまで伸ばしたが、7、8番の連続ボギーで後退。「ちょっと短いのを外しちゃったりとかで、やっぱり緊張感あるな」と振り返ったが、まずまずの滑り出しを見せた。

 新しいグリップの握り方を採用して、まだ5日目。中学までソフトボールを続けていたこともあって、野球バットのようにクラブを握るテンフィンガーグリップを器用に使いこなしている。「ドローが出るんですよ。自分の打ちたいボールも打てますし、しっかり振れる。ドライバーは結構飛んでいる」と手応え十分だ。

 5月のブリヂストン・レディースでは左手親指付け根を痛めている影響もあって予選落ちしたが、グリップの変更は左手の負担を減らす狙いがある。「一時的な変更じゃなく、長い目で見ている」。強いしぶこ復活に向けて、一歩ずつ着実に歩みを進めていく。

 ▽ゴルフのグリップ 握り方の種類は大きく分けて3つ。左手の中指と人さし指の間に右手の小指を添えて握るオーバーラッピンググリップが最もポピュラーな握り方。左手の人さし指と右手の小指を絡ませて握るインターロッキンググリップは両手の一体感を出しやすい。10本の指を全て使って握るテンフィンガーグリップ(ベースボールグリップ)は手首の返しが使いやすく飛距離も出やすいが、安定性に欠けることもある。勝みなみ、時松隆光が有名。

 ≪岩井千が首位発進≫岩井ツインズの妹・千怜が63をマークし、初の首位発進。15番パー4で118ヤードの第2打をカップに沈めるイーグルを奪い、ボギーなしと完璧な内容に「凄くいいスタート」とうなずいた。前日のプロアマ戦では元プロ野球・阪神の桧山進次郎氏とラウンド。「飛ぶし、曲がらないし。私の方が負けずに頑張ろうと刺激をもらった」という。今季2勝目を狙う20歳は「見ている人がワクワクするようなゴルフをしたい」と力を込めた。

 ≪馬場3戦ぶりアンダーパー≫全米女子アマ覇者の馬場は国内ツアーで出場3戦ぶりのアンダーパーとなる71をマークし、36位発進。「最近アンダーが出ていなかったので、1アンダーではあるけど良かった」とホッとした様子だった。17番で第1打が観客に当たるアクシデントも、大事には至らず「本当に申し訳ないです」とおわびにボールをプレゼントし、頭を下げた。サントリーとスポンサー契約を結ぶ18歳は「明日もスコアを伸ばしたい」と気合を入れた。

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