加藤未唯 涙の混合複4強進出「うるっときた」 前日女子複失格、処分不服で4大大会側に提訴

[ 2023年6月7日 04:15 ]

テニス・全仏オープン第9日 ( 2023年6月5日    パリ・ローランギャロス )

ダブルス3回戦で途中失格で敗退となった加藤未唯、アルディラ・スーチャディ組(AP)
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 混合ダブルス準々決勝で加藤未唯(28=ザイマックス)ティム・プッツ(35=ドイツ)組が1月の全豪オープン覇者のブラジル人ペアを7―6、6―2で破った。加藤は前日の女子ダブルス3回戦で失格のショックを引きずる中で4強入り。男子シングルス4回戦は第27シード西岡良仁(27=ミキハウス)が世界49位のトマスマルティン・エチェベリ(23=アルゼンチン)に屈した。6日に車いすの部が開幕し、男子シングルスで史上最年少優勝を狙う小田凱人(17=東海理化)は1回戦で荒井大輔(35=BNPパリバ)に6―1、6―4で快勝して8強入りした。

 ボールガールに球を直撃させて失格に涙した前日から一転、加藤は同じコートでプッツと組んだ混合ダブルスで準決勝に駒を進めた。「試合を最後までできた。(人々が)私を見かけたら声をかけてくれた。うるっときた」。温かい「加藤」コールが起きる中、涙があふれ出た。故意ではなく、失格には納得していない。当日夜は食事が喉を通らなかった。心を解きほぐしたのは「いい思い出をつくって前日の出来事を忘れてほしい」と願ったプッツだった。

 試合後の記者会見では失格のショックを引きずる加藤が涙を流し、中座。「故意でないにしても彼女に当たったのは事実。それだけは謝りたかった」と頭を下げた。失格を不服とし、4大大会側に提訴したことも明かし、失格理由の「危険な行為」には該当しないなどと主張。問題の試合では第2セット途中、ポイント間に相手コート側に送った球がボールガールを直撃した。加藤は強い球を当てたわけではないとの認識で、他選手らからも失格を疑問視する声が相次いでいる。

 《西岡は8強の壁 ストレート敗退》
 西岡は1月の全豪に続いて、4大大会2大会連続の16強敗退。68年のオープン化以降のこの種目で、松岡修造、錦織圭に続く、日本男子3人目の4大大会8強入りを逃した。3回戦までは全て3時間以上の試合。消耗は激しく、この日は左脚付け根に痛みを発症し、痛み止めを服用してのプレーだった。万全に程遠い状態で、クレー巧者の成長株にストレート負け。「スタート前から左脚が痛かった。徐々に痛くなって、どうしようもなかった」と振り返った。

 ◆全仏オープンテニスはWOWOWで全日生放送。日本人選手の試合はWOWOWオンデマンドで全試合ライブ配信 

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