【中嶋常幸の快説オーガスタ】今年は“高速”じゃない難解グリーン攻略が松山浮上の鍵

[ 2023年4月9日 01:30 ]

米男子ゴルフツアー マスターズ第2日 ( 2023年4月7日    ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC=7545ヤード、パー72 )

グリーン上でラインを読む松山(AP)
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 今年のオーガスタは例年に比べ大会前の降水量が多かったせいか、芝の生育が良く目が詰まっている印象だ。象徴的だったのが松山の3番の8メートルのバーディートライだった。本来なら速いラインのはずだったが、1・5メートルも手前で止まった。考えられない転がり方だった。いつもの高速グリーンとは少し違うなと感じさせた。

 2日目のサスペンデッドまでの松山は安全運転。2番パー5で第1打がバンカーの右に行ったものの、許容範囲だった。全体的に無理をしている様子がなく、安心して見ていられた。ただ、オーガスタを攻略するには、難解なグリーンをいかに読んでタッチを合わせていくかが鍵。いつもと違うグリーンだからといって自分から仕掛けようとはせず、合うまで待った方が良い。しびれを切らしてはダメ。徳川家康の“鳴くまで待とうホトトギス”作戦だ。上位のスコアは伸びているが、天候の巡り合わせに恵まれた面もある。松山にはまだホール数も残っている。

 比嘉は2日目も良いゴルフをしていた。ショットだけではなく、難しいバンカーショットなど巧みなアプローチも随所で見せた。池越えの15番パー5の第2打も強風の中、しっかりと2オンに成功した。あのショットは見事だった。体は大きくないが、パワーはあるし技術も持っている。今回の結果がどうなろうと、この経験は最高の財産になるはずだ。(プロゴルファー)

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2023年4月9日のニュース