【玉ノ井親方 視点】らしい相撲が戻ってきた正代 前へ圧力をかけてから自分の形に

[ 2023年3月13日 19:24 ]

大相撲春場所2日目   ○正代(押し倒し)霧馬山● ( 2023年3月13日 )

<大相撲春場所2日目>正代(左)は押し倒しで霧馬山を破る (撮影・奥 調)
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 正代は少しずつ状態が戻ってきている感じだろうか。初日の豊昇龍戦に続いて、この日はこのところ急速に力をつけている霧馬山に彼らしい相撲で勝った。

 立ち合いから攻め込み左差しを狙った。いったん押し込まれる場面もあったが、すぐに押し返し、左をねじ込んでからの攻めが速かったのが良かった。

 腰高で相撲を取る形は相変わらず。ただ、前に出る圧力があった。立ち合いの当たりも先場所よりは低い。差し手も左一辺倒で狙いにいくのではなく、右を使ってうまくけん制しながら自分の形に持ち込んでいる。

 先場所は10番勝てば大関に復帰できたが、逆に勝たなければというプレッシャーが動きをぎこちなくさせた。メンタルの影響は大きかったと思う。ただ本人が言い訳をしないので分からないが、どこかを故障していた可能性もある。

 まだ2日目が終わっただけで今後どうなるかは分からない。それでも、少しずつ力を出せる状態になってきているのは間違いないだろう。

 あす3日目は大関戦。貴景勝は玉鷲戦に良い形で勝ったが、前に出る時に足がスムーズに出ずに、詰まるような感じでそろってしまっていたのが気になる。正代との一番は面白い勝負になりそうだ。
(元大関・栃東)

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2023年3月13日のニュース