女子やり投げ・北口榛花 壇上で涙の理由…切実な思い吐露「感情がぐちゃぐちゃに」

[ 2022年12月5日 22:47 ]

<第66回スポニチフォーラム>受賞者インタビューで、涙を流す北口(撮影・河野 光希)
Photo By スポニチ

 スポーツニッポンフォーラム制定「FOR ALL 2022」の表彰式が5日、東京都文京区の東京ドームホテルで開催された。陸上世界選手権の女子やり投げで銅メダルを獲得した北口榛花(24=JAL)、ゴルフの全米女子アマチュア選手権を制した馬場咲希(17=代々木高2年)らがグランプリを受賞した。

 壇上でも天真らんまんな北口“らしさ”全開だった。約7分におよんだ受賞スピーチ終盤。競技への思いを口にすると、突然言葉が途切れた。「今までは“フィールド種目はどうせ見られていない”という気持ちで試合に出ていたこともあった。やり投げが一番見てもらえる種目になれるように…」。人目をはばからず涙を流し、こう続けた。

 「やり投げをやっている全ての選手と一緒に頑張りたい」

 感情豊かに喜怒哀楽を表現することで知られる北口。表彰式を終えると、涙の理由をこう打ち明けた。

 「自分一人だけが頑張っても、空気感は変わらない。海外から帰って来てからは“日本のやり投げ全体で強くなりたい”と、たくさんメディアで言うようにしているけど、なかなかそれが届かない。馴れあいではなく、高め合うために“みんなで”って言ってるけど、なかなか人がついてこないっていうことに関して“つらいな”って孤独を感じる部分もあるので、今後は変わればいいなと思う。こうしたいのに、どうしたらいいのか分からないっていう、もどかしさも含めて感情がぐちゃぐちゃになって取り乱してしまった」。

 今年の漢字一文字には突破の「破」を選んだ。「自分の枠も日本人の枠も抜け出せた。世界と対等に戦えた一年だった」と理由を説明。最後は涙を拭い「来年も世界選手権がある。今回は入賞を目標にしてメダルをとれちゃったみたいな感じ。次はメダルを目標にして、メダルをとって帰ってきて、メダルの色が今年よりも良い色であればいいな」と北口スマイルを会場に振りまいた。

続きを表示

2022年12月5日のニュース