ウクライナ選手「若い世代の将来が大切」母国のジュニア選手を案じる テニスBJK杯

[ 2022年11月10日 12:47 ]

<ビリー・ジーン・キング杯>ドロー抽選式後の記者会見で、母国ウクライナの現状などについて語るマルタ・コスチュク
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 テニス女子の国別対抗戦ビリー・ジーン・キング(BJK)杯プレーオフ、日本―ウクライナ戦(11、12日、東京・有明コロシアム)のドロー抽選式と記者会見が10日、大会会場で行われ、世界ランキング70位のマルタ・コスチュクらウクライナ選手が、ロシアの軍事侵攻を受ける母国への思いを語った。

 今回の試合に向け「決して簡単な試合にならない。日本も強い。ベストを尽くして良いテニスを見せたい」と話したコスチュク。抽選式には日本テニス協会名誉総裁の秋篠宮家次女佳子さまが来場。声を掛けられる場面もあり、「何か間違いをしてはいけないとドキドキしていた。素晴らしい経験ができた」と柔和な笑みを浮かべたが、母国の話題を振られると一転、こわばった表情となった。

 2月下旬に侵攻を受けてから8カ月超。いまだ停戦の見通しが立たない中で、コスチュクら3選手はツアーを戦っている。家族や親族、友人を母国に残しながらのプレーは、精神的な負担も甚大だが、「自分たちのメンタルのことよりも、祖国にいる若い世代や彼らの将来のことの方が大切。われわれは世界のどこでも練習することが許されるが、子供たちはそれが許されない。できるだけ彼らのことを助けたい。それを自分のミッションと考えている」と案じた。

 世界ランク339位のカタリナ・ザワツカも「ウクライナの選手はみんなそうだが、練習と戦争のことを自分の中でバランスを取っている。ニュースを見ずにコートではコート上のことに集中しているが、なかなか切り離せることではない」と吐露。「祖国に寄り添うことを心がけている。できるだけ早く解決することを願っている」と、国への思いを胸に秘めてプレーするつもりだ。

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2022年11月10日のニュース