琴ノ若、平幕初年間最多勝狙える 5位までに横綱、大関不在トップ若隆景とも3差

[ 2022年11月10日 04:20 ]

琴恵光(右)に厳しい攻めを見せる琴ノ若
Photo By 代表撮影

 大相撲九州場所(13日初日、福岡国際センター)で新三役昇進を目指す琴ノ若(24=佐渡ケ嶽部屋)が9日、福岡市東区の佐渡ケ嶽部屋で平幕・琴勝峰(23)、琴恵光(30)ら相手に21勝3敗と順調な仕上がりをアピールした。ここまで5場所で46勝を挙げ、平幕ながら年間最多勝争いで首位の若隆景と3差。混戦に拍車がかかる一年納めの場所で、史上初となる三役経験なしの年間最多勝を手にして、新時代到来を宣言する。

 活気あふれる稽古場で、ひときわ輝きを放っていた。ハリのある体の琴ノ若は平幕の琴恵光、琴勝峰らを圧倒。17番連続で相撲を取るなど、21勝3敗と格の違いを見せつけた。「今日は比較的体が動いてくれたと思うんですけど、番数的にあれだけいけたのはいいんじゃないかなと思う」。24歳の表情は充実感に満ちていた。

 初場所で11勝を挙げた後、上位で安定した成績を残した。名古屋場所はコロナ関連で5日間休んだが、それでも今年積み上げた勝利はトップの若隆景の49に次ぐ46。番付運に恵まれず三役昇進を逃しているが、実力は疑う余地はない。

 毎年話題となる年間最多勝争いも今年は様相が異なる。昨年77勝の横綱・照ノ富士は優勝1度のみで42勝止まり。貴景勝も38勝で、上位5人に横綱、大関は不在と混戦模様だ。年間最多勝について問われた琴ノ若は「場所が終わってからの結果。まずはどれだけ自分自身がいい相撲を取れるか。その結果がちゃんとついてくればいいんじゃないかなと」と冷静に話す一方で「(上位が)全部平幕だったら、珍しいんじゃないですかね」と関心を示す一幕もあった。

 年間最多勝といえば、かつては横綱、大関のタイトル。長い大相撲の歴史で、年間通じて平幕だった力士が記録したケースはない。「しっかりと気持ちを出して、足りなかった部分を修正して、九州場所で出せるようにいければいい」。上位陣低迷の中、新しい波は着実に大きくなって押し寄せている。

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2022年11月10日のニュース