【二所ノ関親方 真眼】貴景勝、リスク承知のいい判断

[ 2022年9月15日 04:20 ]

大相撲秋場所4日目 ( 2022年9月14日    両国国技館 )

激しく攻め合う琴ノ若(左)と貴景勝(影・久冨木 修)         
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 久々に貴景勝の鬼の形相を見ました。埼玉栄高の後輩、琴ノ若に強烈な左フックの一撃。そこから一気に畳みかけ押し出しました。この日はそれ以外でも左右からフックを見舞うなど荒々しい相撲。大関が格下相手にするものではないと言う人もいるでしょうが、私は貴景勝がいい選択をしたと思いました。

 琴ノ若は体が柔らかく、押しづらいタイプ。押し切れないとみるや方向転換しました。もちろん、大振りとなって脇が開く危険は伴いますが、相手も萎縮して最後は根負けしました。流れを変えることができたという意味ではいい判断でした。

 初日は苦手な逸ノ城に敗れましたが、2日目以降はいい流れをつくれています。負けが込んだり調子が悪いと弱気な引きで墓穴を掘るなど判断を誤りやすい。心身のリズムが良いから強気の攻めができたと思います。気迫が調子のバロメーターになるタイプで、このまま加速していきそうな心身充実の勝利でした。(元横綱・稀勢の里)

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2022年9月15日のニュース