西郷真央の強さの秘密は?内藤雄士プロコーチがスイング分析

[ 2022年5月13日 05:00 ]

ドライバーショットの連続写真
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 今季の女子ツアーで8戦4勝と大ブレーク中の西郷真央(20=島津製作所)。その強さの秘密をプロコーチの内藤雄士氏(52)が分析した。ドライバーショットの連続写真を見た内藤氏は「安定性が凄い高そうで本当に良いスイング」と絶賛した。(構成・大渕 英輔)

 西郷選手のスイングを見た第一印象は「飛んで曲がらないんだろうな」でした。彼女は1メートル58、57キロと女子プロの中では決して大きい方ではありませんが、そのサイズ感よりも飛距離が出るスイングをしています。

 特徴はコッキング(手首に角度をつける動き)が非常に少ないことです。レッスン書などで、よくバックスイングで腕が地面と平行になった時にクラブは直角に立っている、と書かれていることがあります。しかし(3)の位置に来てもノーコックです。コッキングがないと、クラブヘッドが低く遠くに上がるので、スイングアークも大きくなります。そうすると当然飛距離も出ます。

 (4)のトップで右の肩甲骨が見えています。これだけ上体を捻るとリバースピボット(上体が目標方向に傾く)になったり、左膝が右足方向に折れたりしますが、そういうことが全くない。柔軟性と体幹の強さ、足腰の強じんさを感じます。

 インパクト直前の(7)で頭が少し右に傾いていますが、右肩は前(ボール側)に突っ込んでいません。右脇は締まったまま。右肘も曲がったままの状態で、体の前傾角度を変えずに、右肩を少し下げる感じでインパクトを迎えています。右脇が締まり、肘も少し曲がっていた方が、より肩甲骨周りがパッキング(固定)されて、強いインパクトになります。

 頭が傾いた時に足腰や体幹が弱かったりすると、そのままへなっとなって、クラブヘッドが寝てしまいミスが出やすくなります。でもそういう動きは見られません。

 彼女のスイングは「いまどき」です。(7)でクラブフェースが地面を向きつつあり、体のターンだけでインパクトを迎えています。余分なフェースローテーションを抑え、フェースの開閉でインパクトがグラつかないように、横に刺したクギを金づちで叩くようにスイングしています。(9)のフォローでは両肩の真ん中に腕があり、自然なフェースローテーションになっています。

 フェースローテーションが少なく、腕も振らないわけですからボールを芯(しん)に当てる能力は非常に高い。本当に良いスイングをしていると思います。(プロコーチ)

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2022年5月13日のニュース