ロコ悲願の金へ藤沢闘志「しっかり自分たちらしい試合を」準決勝勝利後には“前祝い”も

[ 2022年2月20日 05:30 ]

決勝に向け練習する藤沢(右)と石崎(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 カーリング女子で18年平昌五輪銅メダルで世界7位の日本(ロコ・ソラーレ)は大会最終日の20日、午前10時5分からの決勝で世界8位の英国と対戦する。1次リーグでは4―10と敗れたが、18日の準決勝で同じく1次リーグで黒星を喫したスイスを撃破してムードは最高潮。既に過去最多のメダルを獲得した日本選手団の活躍を、黄金の輝きで締めくくる。

 頂上決戦を見据え、ロコ・ソラーレが明るく最終調整した。表彰台が設置された本番会場で、休養に充てた吉田知以外のメンバーが20分練習。ストーンチェックなどで態勢を整えたスキップ藤沢五月(30)は、「心と体をリフレッシュして。ここで満足するのはもったいないので、しっかり自分たちらしい試合を明日(20日)、したいなと思います」と夢のアイスへの意気込みを口にした。

 チームのムードは最高潮だ。1次リーグ最終戦で敗れたスイスとの再戦となった18日の準決勝。第5エンド、藤沢が相手ストーンを一気に2つはじき出すダブルテークアウトを2投連続で決めて4得点でリードを奪う。第9エンドには大ピンチを迎えたが、藤沢がまたもダブルテークアウト連発で1失点でしのぎ、昨年の世界選手権女王を振り切った。

 この日は、メンバーが信頼を寄せるリンド・コーチの37歳の誕生日だった。準決勝後にはみんなで“前祝い”も実施。藤沢は「試合が終わって、おなかがすいていたので、部屋にある食べ物だったり、飲みものだったりで“乾杯!”って感じです」と明かした。

 銅メダルを獲得した18年平昌。カーリング界初の表彰台という偉業を成し遂げたが、決勝をスタンドで観戦して悔しさは募った。あれから4年。ファイナルの相手は、平昌の3位決定戦で勝利したミュアヘッド率いる英国だ。「あのブロンズの試合から、お互い五輪への思いを強く持っていたと思う。そのチームと決勝の舞台に立てる喜びはある。決勝はいい試合にしたい」と藤沢は力を込めた。

 10年に北海道常呂町(現北見市)出身の本橋麻里がチーム設立。「ローカル」と「常呂っ子」から「ロコ」、「ソラーレ」はイタリア語で「太陽」を意味する。込められた「常呂から太陽のように輝きを持ったチームに」という思い。常呂町出身の吉田姉妹と鈴木、北見市出身の藤沢という平昌メンバーに、旭川市出身の石崎が加わって夢舞台で進撃を続けた。人口5000人に満たない小さな町から始まったストーリーは、黄金のフィナーレを迎える。

続きを表示

2022年2月20日のニュース