CASはワリエワの「出場可能」を裁定したのみ メダル剥奪やさらなる資格停止処分の可能性残る

[ 2022年2月15日 05:30 ]

北京冬季五輪 ( 2022年2月14日 )

大勢の報道陣が見つめる前で練習するワリエワ(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 日本アンチ・ドーピング規律パネル委員長でスポーツ仲裁裁判所(CAS)仲裁人も務める弁護士の早川吉尚氏によると、フィギュアスケート女子・ワリエワ(15、ロシア・オリンピック委員会)をめぐる今回の裁定は「今回の五輪に出場することが可能」という判断で、団体金メダルの判断や、ワリエワが個人でメダルを獲った場合の結論ではないという。

 今後、詳細な検査で薬物の使用が認められると「メダル剥奪や、さらなる資格停止処分につながる可能性もある」と指摘。要保護者の資格停止は最長2年。ワリエワの選手生命にも関わる。

 12月の大会はロシアの国内大会のため、五輪後、1次的な裁定はロシアの規律パネル委員が下すことになるが、早川氏は「そこでお手盛りのような結論であればWADAが上訴する可能性もある」とし、メダルの結論は長引く可能性がある。

 検出された物質の「トリメタジジン」は狭心症などの治療に使われる薬で心肺能力を高める要素もあり、成人のアスリートから検出された場合は原則、暫定出場停止。ロシアでは1000円ほどで市販され、容易に入手できる薬だが、早川氏は「軽自動車にF1のエンジンを積むようなもの。彼女の命に関わるし、悪質性は高い物質」としている。

続きを表示

2022年2月15日のニュース