鍵山優真をよみがえらせた父の言葉「立場や成績に関係なく…」大逆転で海外GP初参戦V

[ 2021年11月7日 09:04 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第3戦・イタリア大会最終日 ( 2021年11月6日    イタリア・トリノ )

SP7位から大逆転で優勝を果たした鍵山(ロイター)

 男子は昨季の世界選手権準優勝の鍵山優真(オリエンタルバイオ・星槎)が、4回転2種3本の構成でフリー自己新記録の197・49点をマーク。合計278・02点でSP7位から大逆転で優勝を果たした。海外GP初参戦Vで、12月のファイナル(大阪)初切符へと前進した。

 SPの失敗から一夜明けても、鍵山は落ち込んでいた。「心の底でどこかに不安な要素がこびりついてた」。朝の公式練習で少しだけ落ち着くことができ、練習後に五輪2度の経験者である父・正和コーチから助言を受けた。「立場とか、成績とか関係なく、ただひたすら練習してきたことを頑張るだけ」。当たり前のような言葉だが、今の鍵山には必要だった。

 大技ループを投入した4回転3種4本の高難度構成は回避した。それでも、サルコー、トーループ2本を入れた自信の構成で、力強さを増した「グラディエーター」を舞った。ジャンプが決まるごとに波に乗り、演技後は右拳を握った。鍵山は言う。「今回は1から挑戦する立場として挑んだ。ただひたすら思い切りやることだけを考えてやった」。大逆転での頂点は、その結果だった。

 シニア1年目の昨季、父から世界と戦う上での訓示を受けた。初出場で銀メダルを獲得した3月の世界選手権でも父が寄り添っていた。「今シーズン最終目標はオリンピックの表彰台に上ること。目の前の課題を1つずつこなすことが大事」と鍵山。これまでも、これからも変わらない。父との二人三脚で栄光への道を歩む。

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