萌寧「一番の目標」国内メジャー初V 4打差独走シーズン8勝目、賞金2億円突破で初のトップに

[ 2021年9月13日 05:30 ]

女子ゴルフツアー 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日 ( 2021年9月12日    茨城県 静ヒルズCC=6680ヤード、パー72 )

メジャー初優勝、トロフィーを手に笑顔の稲見(撮影・西尾 大助)
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 1打差2位から出た稲見萌寧(22=都築電気)が8バーディー、ボギーなしの64で回り、逆転で国内メジャー初優勝を飾った。通算19アンダーはパー72での大会新記録。昨年と統合された今季8勝目で、ツアー通算9勝目。東京五輪の銀メダルに続くビッグタイトルを獲得し、3600万円を加えた賞金額は2億円を超え、ランキングで自身初のトップに立った。

 女子プロゴルファーのNo・1を決める選手権。やっぱり稲見が強かった。11番で3打差をつけて独走態勢を築き、終盤は記録との戦い。通算19アンダーの大会新記録で「夢」と語っていたメジャー制覇を飾り、満面の笑みで両手を突き上げた

 「一番の目標にしていたメジャー優勝が、こんなに早く達成できて良かった。どの優勝もうれしいけど、メジャーは新たな1勝。凄くうれしいです」

 1打差2位で出ると1番をバーディー発進し、すぐに追いつく。そこから首位を譲らず迎えた11番パー4だ。第2打を8Iでピン左1・5メートルにピタリ。このホールで3連続バーディーとして突き放した。フェアウエーを外したのは1ホールのみで、パーオンを逃したのも3ホール。ボギーなしと隙のない内容で、2位に4打差の快勝だった。

 ともに最終組で回った06年賞金女王の大山は、その強さをこう証言する。「稲見さんはオンとオフの気持ちの切り替え、集中力が素晴らしい。圧倒的な強さがある」。ラウンド中は同組の選手と談笑することが多いが、ショットを打つ時は表情が一変する。ゴルフだけでなく、普段の生活もそうだった。「勉強する時は集中してノートを取るけど、休み時間は外に出て友達とバーって遊んだり」。ここぞの場面での「集中力」が強さの源だ。

 毎年、開催地が変わる今大会。稲見は小学6年時に、会場の静ヒルズCCの中にあるショートコースを何度も訪れていた。コースの難しさを知っているだけに、開催地に決まった時には「おじけづいた」そうだ。それでも子供の頃から、時に1日10時間に及ぶ練習を積み重ね、戻ってきた思い出の地。「少しずつレベルアップしてる感じ」と、成長を実感する勝利にもなった。

 8月の東京五輪で日本ゴルフ界初の銀メダルを獲得し、次の目標には「メジャー優勝」と「2桁勝利」を掲げた。その五輪からわずか5週後に、早くもその一つを達成。この勝利でツアー通算勝利数は「9」となり、自身初の賞金ランクトップに浮上した。「賞金ランキングは最終的な結果。次の目標の2桁勝利に向けて勝ち続けたい」。22歳の目は、すでに次のターゲットに向けられている。

 【稲見の記録アラカルト】

 ☆シーズン8勝 稲見は、コロナ禍の影響で1シーズンに統合された20~21年の8勝目を挙げた。シーズン8勝は、03年の不動裕理の10勝(24試合出場)に次ぐツアー歴代単独2位。

 ☆シーズン獲得賞金2億円突破 稲見の20~21年の獲得賞金は2億572万9149円となった。女子で2億円超えは15年に2億3049万7057円を稼いだイ・ボミ以来ツアー歴代2人目。同年のイ・ボミは32試合に出場し7勝した。

 ☆ツアー通算9勝 稲見はツアー通算9勝となった。22歳45日での9勝到達は、20歳63日の宮里藍(05年新キャタピラー三菱レディースで達成、アマチュアでの優勝も含む)に次ぐツアー歴代2位の年少記録。

 ☆大会最少ストローク 稲見の優勝スコア通算19アンダー、269は72ホールの大会最少ストローク。19年大会で畑岡奈紗がマークした通算18アンダー、270を1打更新した(いずれもパー72での記録)。

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