食べ物から熱中症の予防を バナナ、スイカなどの果物が効果的 カギはカリウム

[ 2018年5月1日 05:39 ]

 夏のスポーツで一番怖いのは熱中症だ。時に死亡事故につながるケースがあつ。水分補給をマメにすることで防げることは、みんな知っているよね。実は、食事にも気を配ることで体を守ることができるんだ。たくさんのスポーツ選手の指導をする「食のお姉さん」、公認スポーツ栄養士・吉谷佳代さんに「熱中症の食対策」を聞いたぞ。

 汗をかくと体の中の大切な栄養分も一緒に流れ出てしまう。それが熱中症を引き起こす一つの原因だ。体を守るために、、水分を取るのは重要なこと。その上で、食べ物にも気を配れば熱中症の予防ができるんだ。取りたい栄養分は「カリウム」。では、どんな物を食べれば、「カリウム」を補えるのかな?食のお姉さん、お願いします。

 「果物が効果的です。その中でも、カリウムが多いのがバナナ。スイカ、なし、ブドウ、オレンジ、グレープフルーツにも多く含まれています」

 フルーツだったら、暑くても喉を通りやすいよね。他にもあるのかな?

 「納豆や豆腐、ひじき、もずく、わかめなどのも効果的です」

 足をつったりするのは、「カリウム」などの栄養分が不足するからなんだ。果物や大豆製品、海草類を食べて、暑さに負けない体をつくろう。では、飲み物はどんな物が熱中症対策になるかな?

 「栄養分が豊富に含まれている麦茶がいいです。スポーツドリンクも栄養分を補えますが、糖分が多いので飲む量を考える必要があります」

 逆に適切ではない飲み物はあるのかな?

 「緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、コーラです。カフェインが多く入っているので、おしっこが出やすくなり、体の中から水分が出てしまうことになります」

 食べ物、飲み物以外にも注意することはある。昼間は元気だったのに、水分を十分に補えていないために、夜になって熱中症で病院に運ばれるケースがあるんだ。

 「運動したら寝るまで水分補給が必要です。涼しいところにいて、体を冷やすことも大切。24時間態勢で熱中症対策をすることが大事です」

 元気にスポーツをするために、食事と飲み物に注意をしよう。

 ◆吉谷 佳代(よしたに・かよ) 管理栄養士、日本栄養士会体育協会公認スポーツ栄養士、フードコーディネーター。2001年徳島大医学部栄養学科卒。江崎グリコで健康食品開発やスポーツサプリメントの研究に携わった。現在はフリーランスのスポーツ栄養士として活躍。プロ野球・阪神、バレーボール女子JTなどのトップ選手を手がけるだけでなく、実業団からジュニア選手まで、幅広く栄養指導を行う。

 16年7月発行「スポニチジュニア」より

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