大鵬の孫・納谷幸之介、プロ第一歩!新弟子検査“トップ通過”

[ 2018年1月11日 05:30 ]

国技館をバックにガッツポーズする大鵬の孫の納谷幸之介
Photo By スポニチ

 大相撲初場所(14日初日、両国国技館)の新弟子検査が10日、東京・両国国技館で行われ、史上2位の優勝32度を誇る元横綱・大鵬(故人)の孫、納谷幸之介(17=大嶽部屋)ら受検した9人全員が身長1メートル67、体重67キロ以上の体格基準を満たした。納谷は身長、体重とも9人の中で最も大きい1メートル88、166キロでパス。内臓検査の結果に問題がなければ初場所初日に合格が発表され、3日目(16日)の前相撲でデビューする。

 プロへの第一歩となる新弟子検査。あまり感情を表に表さない納谷も、検査を終えると感慨が込み上げていた。大挙した報道陣に感想を聞かれ「うれしい。やっと力士になれた感じ」と頬を緩めた。

 高校相撲の名門、埼玉栄高の主将としてチームを引っ張り、昨年の国体少年で個人、団体の2冠を達成した。祖父の大鵬だけでなく、実父は元関脇・貴闘力。相撲一家で育った少年は「高校を出たらプロになる」と決めていた。堂々の1メートル88、166キロの体格は、祖父の入門時(56年秋場所)の1メートル84・5、75キロ、父(83年春場所)の1メートル76、110キロを大きく上回った。

 3月5日の卒業式までに高校に足を運ばなければならない日があるが、初場所でのデビューに向けて昨年12月26日、自宅と同じ敷地にある東京都江東区の大嶽部屋に入門し、大部屋での生活を続けている。稽古では幕下力士の胸を借り、「多いときは30〜40番取っている」という。

 大口を叩くことのない謙虚な少年は「注目してくださるのはありがたい。その注目に見合った実力をつけたい」と言い続けてきた。だが、この日は最初の目標となる関取の座について「できれば早い方がいい」と貪欲な姿勢を示した。祖父は14場所目で新十両昇進を果たした。それが一つの目安となる。

 元日馬富士による傷害事件や、立行司・式守伊之助のセクハラ行為発覚など逆風が吹く中で、将来性豊かな17歳は角界を明るく照らす存在になりうる。納谷は4日の稽古始めの後には書き初めで「挑戦」としたためた。「前に出る自分の押し相撲を取り、しっかりと幕内で活躍できる力士になりたい。大関・豪栄道関のような相撲が目標」。初土俵のしこ名は祖父同様、本名の「納谷」となる。まずは初場所の前相撲で、その勇姿を相撲ファンに披露する。

 ▼父・鎌苅忠茂氏(元関脇・貴闘力、元大嶽親方) 体はデカい方ですよね。肩幅も広くて、親の目から見てもいい体をしていると思う。まずは当たって押す相撲が基本。最終的には大鵬さんのような相撲になるかもしれませんが。大相撲の世界に入ったからには、正々堂々とみんなが手に汗を握るような相撲を取ってほしい。記録に残るより記憶に残る相撲ですね。強くなっても王(貞治)さんのように、ファンを大事にするスポーツ選手になってほしい。

 ◆納谷 幸之介(なや・こうのすけ)2000年(平12)2月14日、東京都江東区生まれの17歳。元横綱・大鵬の三女・納谷美絵子さんと元関脇・貴闘力の鎌苅忠茂氏との間に生まれた三男。埼玉・大宮西中から埼玉栄高の相撲部に進学。17年の愛媛国体では少年の部で団体、個人で優勝した。得意は押し。長男・幸男は昨年9月にプロレスデビュー。次男・幸林(たかもり)は、中大相撲部で活動中。四男の幸成(こうせい)も現在、埼玉栄高相撲部。

続きを表示

この記事のフォト

2018年1月11日のニュース