×

欧州SL阻止でFIFAとUEFAが競争法違反と欧州司法裁判所 男子64、女子32チームで新SL構想

[ 2023年12月21日 20:53 ]

 欧州連合(EU)司法裁判所は21日、国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)が強豪12クラブによる欧州スーパーリーグ(SL)の発足を阻止したことが、EU競争法(日本の独禁法に相当)に違反すると発表した。

 SLは2021年4月にレアル・マドリード(スペイン)やユベントス(イタリア)などが創設を発表。しかし、FIFAやUEFAが参加クラブや選手に厳罰を科す方針を示したほかサポーターなど世論の猛反発を受けて構想発表から48時間以内にマンチェスター・ユナイテッドなどイングランドの全6クラブが撤退を表明。事実上の崩壊に追い込まれた。

 司法裁判所はFIFAとUEFAが新リーグ発足を阻んだことが「独占的な地位の乱用」に当たると判断。一方で「必ずしもSLのような大会が承認されるべきだという意味ではない」と付け加えたが、FIFAとUEFA以外の団体が新たな大会を開催することに道を開くことになる。

 崩壊に追い込まれたSLは今年7月にユベントスが脱退を表明。残っているのはRマドリードとバルセロナというスペインの名門2クラブだけだった。しかし、今回の判断を受けて欧州の各メディアによれば、Rマドリードのペレス会長は「我々の主義と価値、自由を保障する判決を歓迎する」と声明を発表。「欧州のクラブ・フットボールは現在もこれからも独占されることはない。今日からクラブは自らの運命を司ることになる」と続け「欧州の自由とフットボール、そしてファンもまた勝利を収めた」と訴えた。

 SL構想を支えてきたスポーツ開発企業「A22」は早速新たなSL構想を発表。男子64チーム、女子32チームによる欧州を横断する新リーグのプランを示した。男子は1~2部を各16チーム、3部を32チームで構成。1~2部は各8チームの2組に分かれてホーム&アウェーによる総当たりのリーグ戦で行われ、各チームは最低14試合を戦うことになるという。

 SL頓挫は一部の限られた有力クラブが巨額収入を分け合う構図がサポーターの猛反発を招いた経緯もあり、新たなSL構想が受け入れられるか不透明だが、各クラブの反応も含めて今後の成り行きが注目される。

続きを表示

「サッカーコラム」特集記事

「日本代表(侍ブルー)」特集記事

2023年12月21日のニュース