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【Jトピ~データで読み解く】V争い 明暗分けたGK2人の執念プレー

[ 2023年11月15日 06:00 ]

後半、ボールをキャッチし大迫にボールを出す神戸GK・前川。右は浦和GK・西川(撮影・久冨木 修)(2023年11月12日撮影)
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 優勝争いが佳境を迎えた前節、GKによる珍しいプレーが続出した。相手ゴール前に駆け上がりリーグ2年ぶりのシュート、そして試合を決めるアシスト。1点が運命を左右する、終盤戦ならではの光景だった。

 優勝を懸けた大一番で、GKの2つのプレーが明暗を分けた。浦和が首位神戸をホームに迎えた12日。勝たなければ優勝が消える浦和は後半アディショナルタイムに1―1と追いつき、なお敵陣でFKを獲得。浦和GK西川は意を決して持ち場を離れ、相手ゴール前に攻め上がった。

 MF中島のFKは西川にわずかに合わず、神戸GK前川にキャッチされた。前川はピッチ中央に残っていたFW大迫に素早くロングパス。大迫が無人のゴールに勝ち越し弾を流し込み、神戸が初優勝に大きく近づいた。

 優勝だけを考えると、浦和は勝ち越せなければ、失点してもしなくても結果は同じ。14年J1昇格プレーオフで山形GK山岸が決勝点を決めたように、負ければ終わりのトーナメントでは見られる場面だが、成績の残るリーグ戦では珍しいパワープレーだった。

 一方の前川はアシストをマークした。今季GKのアシストは、7月に横浜・一森が名古屋戦のロングパスでマークしたのに次ぎ2人目。大迫の得点王獲得への“アシスト”にもなる、価値の高いパスとなった。

 11日の湘南―名古屋でも、同様の場面があった。1―2で追う名古屋の後半54分の右CKで、GKランゲラックが相手ゴール前へ。こぼれ球にダイビングヘッドを試みシュートも相手GKにキャッチされ、これがラストプレーとなった。

 GKによるシュートは今季J1初、21年5月にG大阪・東口が広島戦で記録して以来約2年ぶりだった。J1でPK以外のGKの得点は、18年11月に清水の六反が神戸戦で決めたのが唯一。リスクの高いプレーながら、30年に一度の可能性に懸けるGKの執念も終盤戦の見どころといえる。(データ提供・データスタジアム)

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