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なでしこ・宮沢 “スピード&駆け引き”で澤に並ぶ1大会最多5ゴール目狙う 決勝T1回戦VSノルウェー

[ 2023年8月5日 04:50 ]

大会5ゴール目狙う!背番号7を指してポーズを決める宮沢(ゲッティ=共同)
Photo By ゲッティ=共同

 サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は5日、女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会の決勝トーナメント1回戦でノルウェーと激突する。勝てば準優勝した15年大会以来、2大会ぶりの8強進出。日本選手初の1大会2度の複数得点を記録したMF宮沢ひなた(23=マイナビ仙台)らは4日、現地で調整を行った。1次リーグ日本最多の4ゴールを決めたスピード自慢のアタッカーは駆け引きを覚えたことで急成長。長身ぞろいのDF陣に対抗し、澤穂希に並ぶ1大会最多ゴールを狙う。

 世界一奪還へ、宮沢の快進撃が止まらない。1次リーグ3試合で4得点は澤穂希らを抜いて最多。中学、そして高校時代にまかれた種が日テレ東京Vやマイナビ仙台、年代別代表の経験でつぼみとなり、W杯で大輪の花を咲かせようとしている。

 魅力のドリブル突破は、星槎国際湘南での3年間で磨かれた。中学、高校の計6年間にわたって指導した同校の柄沢俊介監督(49)は「バックパスを許さなかった。何回失敗してもいいから仕掛けなさいと指導していた」と当時を振り返る。

 居残り練習ではチームメートや監督に守備役を頼み、1対1を延々と行った。ボールの置き方、足の位置や向きなど細部にこだわった。恩師には勝てるまで挑んだが、宮沢が勝っても「納得がいかないと“もう1回”と付き合わされた」。

 中学時代はボランチで視野の広さと予測を鍛えられ、本格的にFW起用されたのは高校入学後。50メートル6秒8の快足も大きな武器だが「スピードだけでは世界と戦えない」と柄沢監督は考え、オフ・ザ・ボールでの予備動作や視線の駆け引きなどの重要性を説き、反復練習させた。

 柄沢監督は「自分はきっかけをつくっただけです」という。高校卒業後はすぐに結果が出ず、移籍も経験。多くの指導者から注入された知識や経験、何より「必要なことを自分で考えてやり続けられる子だった」という生来の勤勉さが今につながっている。

 スペイン戦の先制点でも見せた、駆け引きと快足の合わさったゴールは長身ぞろいのノルウェーにも有効。「太さんと(U―20に続いて)もう一度世界一を獲りに行けたら」と誓う舞台。勝利に導く一撃で、ピッチに笑顔を咲かせる。

 ◇宮沢 ひなた(みやざわ・ひなた)1999年(平11)11月28日生まれ、神奈川県出身の23歳。各年代別代表で主力として活躍し、16年U―17W杯準優勝、18年U―20W杯では優勝。18年に星槎国際湘南を卒業後、日テレ・ベレーザ(現日テレ東京V)に加入。21年からはマイナビ仙台でプレーする。18年11月にA代表デビュー、通算26試合8得点。1メートル60、48キロ。利き足は右。

 ≪3バックの奮闘不可欠≫日本はスタジアム近郊で最終調整した。高いボールをゴール前に放り込んでくるノルウェーに対し、3バックの奮闘が不可欠。3試合連続無失点の守備陣を統率する主将の熊谷は「ここまでの結果がゼロになるくらい新しい戦いが始まる」と気を引き締めた。前回の19年はオランダとの決勝トーナメント1回戦で終了間際にPKを決められ敗退した。池田監督は「難しい試合になるのは、もちろん覚悟の上。しっかり準備している」と語った。

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