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【森保Jの26人】遠藤航 敗北乗り越え頼れる男に

[ 2022年11月9日 04:30 ]

世界大会の敗北を経てW杯カタール大会に挑む遠藤航
Photo By スポニチ

 「うさぎじゃない。自信のある亀」。ドイツ1部で“デュエル王”に君臨する遠藤を、湘南時代の恩師であるチョウ貴裁(チョウキジェ)監督(現京都)はそう評した。19年夏にシュツットガルトに移籍したが、主力定着まで時間を要した。「一歩ずつ上にいく子です」。通用する自信があるからこそ腐らず、自分ができることに全力で取り組み、力強く前に進み続けた。

 中学2年時に湘南の下部組織の練習に参加し、当時ユースを率いていたチョウ監督と出会った。「本当は違う子を見に行った」。フィジカルは強い方ではなくきゃしゃだったが、ピッチでの落ち着きと視野の広さが目に留まった。

 サッカーIQは昔から高かった。「状況判断や“今何をすべきか”のインプットとアウトプットが異常に早い。Windowsがどんどんアップデートされるかのよう」。決してフィジカル一辺倒ではない。学習能力の高さと秀逸なポジショニングが、球際の激しいドイツ1部で輝きを放つための武器だ。

 「一度ミスすると繰り返さない」のも特長の一つだという。11年のJ2岐阜戦、前半10分で退場した。「負けたのは自分のせい」と試合後に泣いた。その後、チョウ監督はレッドカードをもらう姿を見ていない。「一つのプレーが次の彼のプレーを決めていく」

 16年リオ五輪、18年W杯ロシア大会、21年東京五輪。世界大会で多くの悔しさを味わった。いくつものミスや敗北が遠藤を“頼れる男”へと大きくした。

 ◇遠藤 航(えんどう・わたる)1993年(平5)2月9日生まれ、神奈川県出身の29歳。11年に湘南のトップチームに昇格し、16年に浦和移籍。18年にベルギー1部シントトロイデン、19年にドイツ2部(現1部)シュツットガルトに移籍。1メートル78、76キロ。利き足は右。

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2022年11月9日のニュース