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横浜FC 43歳中村俊輔がファーストプレーで決勝点アシスト「まさか最初からセットプレーとは」

[ 2022年3月13日 18:18 ]

明治安田生命J2第4節   横浜FC3―2水戸 ( 2022年3月13日    ニッパツ )

横浜FC・中村俊輔
Photo By スポニチ

 横浜FCはホームで水戸と対戦し、2点ビハインドから3―2で逆転勝利。今季のJ2で唯一、そしてクラブ新記録となる開幕4連勝を飾り、首位を維持した。

 勝利を呼び込んだのは、元日本代表MF中村俊輔(43)の左足だった。2―2の後半38分、左CKを得たタイミングで同点ゴールを決めたFW伊藤翔(33)に代わってピッチに立つと、そのままCKのキッカーを務めた。「まさか最初からセットプレーとは思わないし、(それまでのキッカーだった手塚)康平も来なかったから、じゃあ蹴ろうかなと思って」。左足で放った高精度のクロスは、どんぴしゃでFW小川航基(24)の頭に届いた。

 「練習では(狙いが)ニアだったんですけど、のぞいたときにニアの感じはしなかった。時間も点数も考えた時には、ダイレクトで入るようなボールは自分も得意だし、よく(小川)航基が触ってくれた」。打点の高いヘディングでこの日2点目を奪った小川は「俊さんが交代で入ってきたときに、絶対にいいボール上がってくるって分かっていたので、この試合を通して一番危険な位置に入っていこうと思った。そこにどんぴしゃで来て、さすがだなという一言です」と感嘆。ネットが揺れると中村のもとに次々と選手が駆け寄り、ベンチ前に歓喜の輪が生まれた。

 開幕戦の途中出場でJ2歴代3位の年長記録を刻んでいた中村は、43歳8カ月17日のこの日、自身の出場記録をさらに更新した。アシストもJ2歴代3位の年長記録となった。出場するやいなや高い精度のクロスを放てたのは、準備ができていたからだった。「ハーフタイムくらいしかボールを蹴れないから、そこでいかに感覚をつかむか」。06年のW杯ドイツ大会をともに戦ったジーコ元日本代表監督からはかつて、「(出場前に)1回は集中してゾーンに入って蹴っとくべき」と進言を受けた。それを今も続けている。

 周囲のサポートにも感謝した。「昨日のセットプレーの練習も、康平2回、自分2回、蹴らしてもらっている。自分なんか出る時間はちょっとしかないのに」と中村。「練習中からそういう場面を想定してやらせてもらっているから、自分が(素晴らしかった)というよりも、練習のメニューとか、そういうちょっとした(スタッフの)気の遣いようというか。場面場面を想定して、本番を想定してやっていれば、こういうことがたまには起きる」とうなずいた。

 今季はFW三浦知良(55)がJFL鈴鹿ポイントゲッターズに期限付き移籍。チームの最年長として、四方田修平監督(48)の植え付けるスタイルを率先して浸透させる役割をこなしている。「積極的にやってくれているので、非常に助かっている」と話す指揮官は「最初のプレーでアシストするのは彼の才能だし、言葉では表せないような部分を示してくれたなと思います」と称賛した。

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2022年3月13日のニュース