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なでしこ 今大会初勝利で1次L突破!美南が値千金決勝点、PK失敗の汚名返上

[ 2021年7月28日 05:30 ]

東京五輪第5日 女子サッカー1次リーグE組   日本1ー0チリ ( 2021年7月27日    キューアンドエースタジアムみやぎ )

<サッカー女子 チリ・日本>後半、ゴールを決め喜ぶ途中出場の田中
Photo By スポニチ

 東京五輪サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が27日、3試合目で初の有観客開催された1次リーグ第3戦でチリを1―0で下し、決勝トーナメント進出を決めた。0―0の後半32分に途中出場のFW田中美南(みな、27)が、値千金の先制ゴール。21日の第1戦カナダ戦(札幌ドーム)でPKを外した失敗を取り戻した。1次リーグを1勝1分け1敗とし、3位通過で準々決勝はG組1位のスウェーデンと対戦する。

 今大会初めての“ホーム”の手拍子が、背中を押してくれた。客席には家族の姿もあった。田中は「皆さんが見てくれている。有観客は改めていいな」と感謝し、駆け回った。結果で恩返しした。0―0で迎えた後半32分。ゴール前で岩渕が相手ディフェンスを背負いながら通したパスを田中が右足で突き刺した。決勝トーナメントへ導く決勝弾。「勝つしか道はない。どんなに外そうと90分、ゴールに向かおうと思っていた」。スタンドが熱気に包まれた。

 汚名返上だった。初戦のカナダ戦は後半9分に自らが倒されて獲得したPKを失敗。大事な初戦を1―1で引き分け、1次リーグは困難を強いられた。その試合後の会見で岩渕が「PKのミスについて取り上げないで」とお願い。仲間の計らいに、田中は「取り返すぞと思っていた」と燃えていた。

 13年に代表デビュー。16年から国内リーグで4年連続得点王を獲得するなど、屈指のストライカーに成長したが、19年W杯フランス大会は落選した。小学時代の恩師で、川崎ウィングスの羽物俊樹監督(54)には「なんで選ばれなかったんだろう」と漏らしたこともあったというが、そんな挫折が今に生きる。

 昨季は慣れ親しんだ日テレからINAC神戸へ、今年2月にはドイツ1部レーバークーゼンに移籍した。「今までは、あうんの呼吸でプレーしていた部分があった。個人で得点を取る力をつけたかった」と磨いた対応力が大一番で生きた。「さらに厳しい大会が続く。しっかり修正して臨みたい」と話した田中が、頂点へと導く。

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