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J初のパワハラ認定 問題行為の湘南・チョウ監督「乗り越える努力をしていきたい」

[ 2019年10月5日 05:30 ]

記者会見で謝罪するJ1湘南のチョウ貴裁監督
Photo By 共同

 Jリーグは4日、パワハラ疑惑が浮上していた湘南のチョウ貴裁(チョウキジェ)監督(50)に対する調査結果を公表し、パワハラ行為を認定した。チョウ監督には公式戦5試合の出場資格停止など、対応が不十分だったクラブには制裁金200万円などの処分を下した。

 7月に通報があり、Jリーグは弁護士による調査チームを編成。チョウ監督を含む約60人に対してヒアリング調査を実施した。選手への言動では試合中に「チームのがんだ。他にうつるから出て行け」と罵声を浴びせた件など精神的に追い込む言動が数多く報告された。

 また16年夏にはコーチの胸ぐらをつかみ、怒鳴りながら床に押し倒した。不法行為、暴行罪ともなり得る不適切な行為と認定された。クラブ内ではスタッフの出勤拒否、選手が移籍せざるを得なくなった被害などが複数生じていたという。

 Jリーグで指導者によるパワハラ行為が認定されたのは今回が初だが、処分内容について「軽いのでは」との声も出た。村井チェアマンは「34試合分の5試合。非常に重い処分。指導者としての力量は高い。反省して再起していただきたい」と話した。

 【5日から指揮可】 裁定を受け、湘南は平塚市内で会見を行った。当初は予定になかったが、チョウ監督も強い謝罪の意志から出席。選手とスタッフ、全関係者に頭を下げ「全身全霊を懸けて内省を深め、自分が犯した事象に向き合い、乗り越える努力をしていきたい」と話した。

 処分上、6日の川崎F戦から指揮を執ることは可能となった。ただし関係者によると、重いハラスメント認定を受けたチョウ監督の意思が確認できておらず、先行きは未定。憔悴(しょうすい)した様子の指揮官は「もし僕の今の姿を真摯(しんし)に見せられる場所があるのであれば…とは思ってますけど、今日この時点で、僕を育ててもらったベルマーレでチームや選手たちスタッフの皆さんに対して、僕からこうですということはできない」と語った。

 <報告された主な問題行為、暴言>

 ▼19年8月 パワハラ問題表面化後「内通者がいる。俺は○○と思っている。徹底的に戦う」と某スタッフを犯人扱い。スタッフは恐怖で出勤できなくなった。

 ▼19年7月(福島合宿の練習中)足の違和感を訴えた選手に医療スタッフが近づくと「ほっとけ!」。同選手は直後に全治8カ月の負傷。

 ▼19年(詳細時期は不明)自身の意に沿わない見解を報告する医療スタッフに「メディカル全員代えてもいいんだぞ」「お前、むかつくんだよ」

 ▼18年夏(福島合宿の練習試合)精彩を欠いたと感じた選手に対してバケツを蹴飛ばしながら「お前なんか、ケガしてしまえ!」

 ▼15~16年(練習試合)脳振とうで4~5日休養後の選手がまだ不調を訴えたにもかかわらず「いいからやれ、頭に(ボールが)来たら全部よけていいから、やれ」

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2019年10月5日のニュース