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ハリル監督、コンディション重視の5段階評価 選手の状態見極め「抜てき」連発

[ 2017年9月5日 09:10 ]

<サッカー日本代表練習>練習会場に到着したハリルホジッチ監督
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 【ハリルJアジア戦記】解任危機が続く中、ハリルホジッチ監督が大きな決断を下した。16年11月15日のサウジアラビア戦(埼玉)。所属するACミランで出場機会の激減していた本田を先発から外した。香川、岡崎もベンチスタートで“ビッグ3”がそろって先発落ち。結果次第で批判の的になる可能性もあったが、右FWには本田に代わり久保を抜てき。試合は清武、原口のゴールで2―1で勝った。アルジェリア代表監督時代も世代交代を進め、マフレズ、スリマニらを発掘。過去の実績にとらわれない采配でW杯16強に導いており、その本領を発揮した。

 指揮官はサウジアラビア戦の白星を機に、コンディション重視の方針を加速させた。大枠メンバー55選手の状態を把握するため「5段階評価」を導入。フランス人コーチ陣に海外組、日本人コーチ陣に国内組を追跡させ、週1回のスタッフ会議で選手を「青、緑、黄、橙(だいだい)、赤(青が最高)」に色分けした。森重、西川ら常連組の名前が消え、6月にはブルガリアでプレーする無名の加藤を選出。「青評価」の選手を優先的に招集した。

 この思い切った選手選考が吉と出る。3月23日のUAE戦(アルアイン)では、所属するG大阪で秀逸なプレーを見せていた今野を約2年ぶりに招集。困惑する34歳を先発起用すると、中盤で何度もボールを奪い、ゴールも記録した。W杯出場を決めた8月31日のオーストラリア戦でも先発に抜てきした浅野、井手口がゴール。序列が下がった一部選手からは十分な説明がないことに対する不満も出たが、過度の配慮は特別扱いにもなりかねない。悪評が立っても、選手を平等に扱う姿勢はぶれなかった。

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2017年9月5日のニュース