アンパンマン大好き13歳 将棋の竹内優月女流2級がプロデビュー戦勝利 グッズ持参「勇気もらった」

[ 2024年5月18日 18:43 ]

女流棋士デビュー戦を迎えた竹内優月女流2級 (撮影・小田切 葉月)
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 今年3月1日付で将棋の女流棋士になった竹内優月女流2級(13)が18日、東京・将棋会館でプロデビュー戦を迎えた。リコー杯第14期女流王座戦一次予選に参加し、藤井奈々女流初段(26)と対戦。複雑な終盤戦となったが、攻守で切れのある指し回しを見せ184手で勝利した。対局には大好きなアニメ「アンパンマン」グッズを持参。背中を押してもらったことを明かした。

 激闘を制し、ほおはピンク色に染まっていた。「いつもより時間が早く感じて、あっという間に秒読みになってしまった。焦りました」と話す。穴熊に囲い合い、一瞬の隙を逃さず急所の端攻め。主導権を握られる場面もあったが、「チャンスはあると思って指しました」と負けん気の強さを発揮した。

 その気持ちを支えたのが、アンパンマンのグッズたち。カバンには同ミュージアム限定のマグカップを忍ばせ、手元にはハンカチ。「ちらっと目に入る度に、勇気をもらっていました」と満面の笑みで振り返る。

 小学5年生の時、ストーリーに感動した。推しキャラは「ナガネギマン」。普段はネギを育てて配る「ネギーおじさん」だが、マスクをすると「怪傑ナガネギマン」に。鮮やかな剣さばきで悪を退治するキャラクター。「その時にとても格好よくなる。ギャップが好き」と、中学生らしさものぞかせた。

 将棋はテレビで見たことで興味を持ち、小学1年生からスタート。数々のアマチュア棋戦で活躍し、昨年7月には第17期マイナビ女子オープン予選で中村真梨花女流四段(36)に勝利した。プロ入り時点では現役最年少。棋士、女流棋士通じて初の2010年代生まれとしても話題になった。

 3月のプロ入りから約2カ月半を経て、ようやく女流棋士としての一歩を踏み出した。デビュー戦後には一次予選突破を目指し室谷由紀女流三段(31)と対戦も、プロ初黒星。それでも前を向く。

 「スタート地点に立ったばかり。もっと強くなってタイトル戦に出たい。福間香奈女流五冠や西山朋佳女流三冠を超える女流棋士になりたい」。

 力強いまなざしに、決意がみなぎる。アンパンマンの得意技“アンパンチ”のような鋭い将棋で、女流棋界に新風を吹かせることを誓った。 (小田切 葉月) 

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