唐十郎さん長女 最期を看取り「来世でも、お父さんの娘に生まれてきたい」

[ 2024年5月5日 21:40 ]

大鶴美仁音
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 急性硬膜下血腫のため4日に都内の病院で死去した劇作家の唐十郎(から・じゅうろう、本名大鶴義英=おおつる・よしひで)さん(享年84)の長女で、女優の大鶴美仁音(みにおん、32)が5日、本紙の取材に応じ、最愛の父への思いを語った。

 この日夜に行われた唐さんの代表作の1つ「泥人魚」の公演前に取材に対応。同日が東京公演の初日で、美仁音はヒロインを演じた。仲良しだった父との別れについて「この世から唐十郎という人物が旅立ったことはとても寂しいですけど、今は最期をみとることが出来て、伝えたいことも伝えられたので安堵(あんど)の気持ちの方が強い」と率直な心境を明かした。

 唐さんは1日に自宅で転倒し、病院に緊急搬送。最期まで意識が戻ることはなかったという。

 美仁音は1日に岡山での巡業から帰京。東京公演の準備の合間を縫って、毎日病室を訪れた。唐さんが亡くなった4日はゲネプロを終え、息を引き取る10分ほど前に病院に到着。前日には「明日も会いに行くからね」と意識のない父と約束を交わしたといい「私が来るのを待っていてくれたのかなと思いました」と振り返った。

 残された時間でこれまでの思い出や、「世界で1番好き」という思いなどを一生懸命に伝えた。その後、「“来世でも、お父さんの娘に生まれてきたいです”と指切りして、終わった時にちょうど(バイタルが)0になった」とし、「伝えたいことを最後に全部聞いてくれたような気がした」と声を震わせた。

 豪快なイメージも強い唐さんだが、父としては子煩悩な一面も。「とにかくやさしかった。小さい頃は怒られたことがないくらい。娘が初めてだったからか、凄くかわいがってくれて、一杯遊んでくれた」と当時を振り返った。美仁音が17歳で初めて唐組の公演で演出を受けた時も、演技に厳しく褒めてくれることこそあまりなかったが、他の劇団員に「ちゃんと教えてやって」と頼むなど気にかけてくれたという。

 この日夜の公演については「(唐さんは)きっと観に来てくれると思う」とし「一生懸命(劇団員)全員で届けるので見守ってください」と誓った。

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