唐十郎さん 急性硬膜下血腫で死去 「寝ているような顔で」劇団関係者が最期の様子語る

[ 2024年5月5日 11:21 ]

唐十郎さん
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 アングラ演劇の旗手として活躍した劇作家の唐十郎(から・じゅうろう、本名大鶴義英=おおつる・よしひで)さんが4日、東京都中野区の病院で死去した。唐さんが主宰する「劇団唐組」が5日、発表した。84歳だった。訃報を受け、劇団の座長代行・久保井研氏が5日午前、都内で会見を行い、最期の様子を明かした。

 久保井氏は1日午前中に倒れた時の状況については「私たちは詳しく知らないが、ご家族が看に行ったみたい」としたうえで「私たちは唐さんが見にきてくれると思って昨日まで準備していた」と説明した。その姿について「とっても気持ちよく寝ているような顔で、何度か呼んでみても返事しない。いつも寝ている唐さんのような顔でした」と穏やかな表情だったと明かした。

 劇団は「5月4日21時01分に(右)急性硬膜下血腫で永眠致しました」と発表。1日午前中に自宅で転倒し、中野区内の病院に緊急搬送されたという。

 唐さんは、1940年(昭15)2月11日生まれ、東京・下谷万年町出身。明大文学部演劇学科卒。63年に「シチュエーションの会」(64年に劇団「状況劇場」に改名)を結成し、67年、新宿花園神社で“紅テント”公演を行う一方、根津甚八、小林薫、佐野史郎ら多くの俳優を輩出した。

 86年の公演を最後に状況劇場を解散。88年に唐座をつくり、3月東京・浅草に巨大テントでつくった“下町唐座”を完成させた。

 劇作家として70年に「少女仮面」で岸田戯曲賞を受賞。小説家としても78年に「海星・河童」で泉鏡花文学賞、83年に「佐川君からの手紙」で芥川賞を受賞した。横浜国立大や母校・明治大で教壇にも立った。

 2021年に文化功労者。67年に李礼仙(李麗仙)さんと結婚するが、86年4月離婚。俳優の大鶴義丹は長男。

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