「光る君へ」最期は父と同じく妻の和歌「悲しくもロマンチック」道隆・井浦新&貴子・板谷由夏が語る舞台裏

[ 2024年4月28日 21:00 ]

大河ドラマ「光る君へ」第17話。藤原道隆(井浦新)は高階貴子(板谷由夏)に見守られ…(C)NHK
Photo By 提供写真

 女優の吉高由里子(35)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は28日、第17話が放送され、俳優の井浦新(49)が好演してきた関白・藤原道隆の最期が描かれた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生んできた“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

 第17話は「うつろい」。まひろ(吉高由里子)は一命を取り留め、藤原道長(柄本佑)が夜通し看病してくれたと乙丸(矢部太郎)から知らされる。道長は民を救うべく、疫病患者のための“救い小屋”建設を計画。その頃、藤原道隆(井浦新)は体調を崩し、衰弱し始める。藤原伊周(三浦翔平)が関白に準じる職に就けるよう、藤原定子(高畑充希)は一条天皇(塩野瑛久)に働き掛け。そんな中、意外な人物がまひろを訪ね…という展開。

 道隆は笛の演奏をした直後に昏倒。安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)を呼び「目が霞む、手が痺れる、喉が乾く。これは、誰ぞの呪詛に違いない」「心当たりはありすぎる!」「(呪詛でないなら)おまえの祈祷で、わしの寿命を伸ばせ!」を命令。晴明は「もう関白は何をしても助からぬ」と弟子の須麻流(すまる、DAIKI)に任せた。

 道隆は藤原道兼(玉置玲央)も呼び「もしわしが倒れても、いまだ懐妊せぬ中宮様も、貴子も、伊周も、隆家も、支えてやってくれ。酷なことをしないでくれ。どうか、どうか、どうか、どうか…伊周を、我が家を、頼む」と懇願した。

 内大臣・伊周に「内覧」(帝に奏上する文書や帝が宣下する文書を事前に読むことが可能な、関白に準じる職)の宣旨を、という道隆の願いを一条天皇は保留し「下がれ」。打ちのめされると、その足で定子に「早く皇子を産め!」などと鬼気迫る様子で詰め寄った。

 一条天皇は伊周に内覧を許可したが、「関白の病の間」という条件付き。内裏の公卿からも疫病による死者が出た。

 道隆の病状は悪化し、足元もおぼつかない。御簾をめくり上げ、一条天皇に「お上!伊周を、関白に!」。周囲の者に制止されるほど、狂気が宿った。

 長徳元年(995年)4月10日。道隆は高階貴子(板谷由夏)に見守られ、旅立つ。43年の生涯だった。

 道隆「そなたに会ったのは、内裏の内侍所であった。スンと済ました、女子(おなご)であった」

 貴子「道隆様は、お背が高く、キラキラと輝くような、殿御でございました」

 道隆「忘れじの 行く末までは かたければ 今日をかぎりの 命ともがな。あの歌で、貴子と決めた」

 藤原道隆の最期は酒好き、飲水の病(糖尿病)が原因ともされる。儀同三司母(藤原伊周の母、高階貴子)が女心を詠んだ「忘れじの 行く末までは かたければ 今日をかぎりの 命ともがな」は百人一首の54番。

 病と家の心配に苦しんだものの、最期は父・藤原兼家(段田安則)と藤原寧子(財前直見)のように、妻の和歌を口にした。

 オンエア後、撮影現場からの音声コメント「君かたり」が番組公式SNSにアップされた。

 ▼井浦新 「光る君へ」の世界の中で道隆を演じてきて、感じていたのは一点ですね。やっぱり一族、家族への思いであり、呪縛であり、家族というものを道隆を演じる上では常に大事にしてました。お酒に溺れても、権力に溺れたとしても、道隆の根底にあるのはやっぱり家族であって、父上(藤原兼家/段田安則)から学び、教えられて手本にしてきた政。道隆の中では、教科書は父上なので。父上から教えられたことは、一族をいかに続けていくか、栄華を続けていくということが道隆にとっては一番大事なことなんですよね。だから、自分が家族を持ったら今度それを息子、今度はその孫へ、いかに渡していけるか、本当にそこだけを大事にしていた。だから本当に政は不得意な道隆ですけれども、家族、一族というものが道隆のすべてだったんだろうなというふうに感じます。

 ▼板谷由夏 悲しかったですけど、めちゃくちゃ愛した人が私のラブレターのような歌を最後に詠んで死んでいくというのは、なんてロマンチックなんだろうと思っていました。やっぱり、お互い情熱的な恋愛をしてたんだなと思って、井浦新くんとも言っていたんだけど、出会った頃の話を2人でしながら死んでいく夫婦はいいよねと。なかなかない気がするんですよね。凄いなと思って、2人の絆がね。大石先生が「2人は大恋愛」という気持ちを、そこに凄く込めたんだろうなと思っていたんですけどね。だから、悲しいけど、悲しいんだけど、2人で共有する思い出を話し合えるという幸せ感もあったし、「さようなら」というよりも「私たち、今まで幸せだったよね」と2人で共有できる思い出がたくさんあるというほど幸せなことはないから。それは凄くほわんとしました。

 次回は第18話「岐路」(5月5日)が放送される。

続きを表示

この記事のフォト

「美脚」特集記事

「STARTO ENTERTAINMENT」特集記事

2024年4月28日のニュース