林家木久扇 来年3月笑点卒業「芸というものは次の世代にバトンタッチしないと」 85歳現役最古参が決断

[ 2023年8月28日 05:00 ]

「24時間テレビ46」内で来年3月に「笑点」を卒業すると発表した林家木久扇(C)日本テレビ
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 落語家の林家木久扇(85)が27日、半世紀以上レギュラー出演してきた日本テレビ「笑点」の大喜利回答者を、来年3月で卒業すると発表した。この日生放送された同局「24時間テレビ46」内の「チャリティー笑点」の放送中に自ら報告。歴代最長かつ現役最古参のメンバーが大きな決断を下した。

 晴れやかな表情での卒業報告だった。番組では「芸というものは次の世代にバトンタッチしないといけません。私の座布団も芸も新しい人にバトンタッチいたします」と報告。今回の「24時間テレビ」のテーマが「明日のために、今日つながろう。」だということを踏まえ「(その言葉に)私は背中を押されたわけでございます」と心境を語った。
 一方で「(番組に)何かがあったら駆けつけますし、高座の落語も続けてまいります」と今後も何らかの形で番組に関わる可能性も残し、落語家としては現役を続けることを明言した。司会の春風亭昇太(63)に対し「私に2000万円ください」と退職金を要求するなど、ボケも忘れなかった。

 「笑点」には木久蔵時代の1969年に初めて出演してから、54年にわたりレギュラーを務めてきた。黄色の高座着がトレードマークで“おバカキャラ”として老若男女に愛されてきた。

 番組を通じてお茶の間に親しまれてきたその裏では病魔とも闘ってきた。00年に胃がん、14年に喉頭がんと2度にわたりがんで闘病。21年には自宅で転倒し、左大腿骨を骨折して入院生活も送った。落語関係者は「長時間にわたり座布団への乗り降りを繰り返す収録を毎週続けるのは見た目以上に過酷。高齢ということもあり、体力的な事情も考慮して今回の決断に至ったのでしょう」と語っている。

 ここ数年で「笑点」は若返りも進んでいる。22年には桂宮治(46)、また昨年死去した六代目三遊亭円楽さんの後任として、今年2月には春風亭一之輔(45)が新レギュラーに加入した。初代司会者の立川談志さんから現在の昇太まで全ての司会者を知り、番組の生き字引でもある木久扇は「私の(代わりに)一枚加わって、また新しい風が吹いて、『笑点』がうんと面白くなります」と若手が作る「笑点」の未来にも期待を寄せた。
 同局によると卒業後の新メンバーは今後番組内で発表されるという。

 ≪黄色がトレードマーク「目に飛び込んでくる色」≫ 木久扇は黄色い衣装がトレードマーク。笑点に加入した1969年は日本でカラーテレビが普及しつつある時期で、笑点メンバーの衣装もそのころから色紋付きになった。好きな色を選んでいいと言われた木久扇は「人の目に最初にパッて飛び込んで入る色だと思った」と黄色を選んだ理由を明かしている。

 ◇林家 木久扇(はやしや・きくおう)本名・豊田洋。1937年(昭12)10月19日生まれ、東京都出身の85歳。60年8月に三代目桂三木助に入門。翌年八代目林家正蔵門下に移り、林家木久蔵を名乗る。73年真打ち昇進。07年に林家木久扇を襲名した。

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