なかにし礼さん 未発表曲9・27発売「人の世一夜の子守歌」 作曲は盟友・浜圭介氏

[ 2023年8月1日 05:00 ]

なかにし礼さんの未発表曲「人の世一夜の子守歌」のレコーディングに立ち合った作曲の浜圭介氏(右)と小泉兄弟
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 「北酒場」「天使の誘惑」など数多くのヒット曲を手がけた作詞家、直木賞作家で2020年に他界したなかにし礼さん(享年82)に未発表曲があったことが31日、分かった。

 9月27日に発売される「人の世一夜の子守歌」で、作曲は「石狩挽歌」「ホテル」などでタッグを組んだ盟友・浜圭介氏(77)が手がけた。歌うのは西日本を拠点に、大衆演劇界の実力派として人気の「たつみ劇団BOX」座長、小泉たつみ&小泉ダイヤ兄弟。歌謡界を代表する2人の作家と大衆演劇界のスターがタッグを組んだ異色作に仕上がった。

 なかにしさんが、同作を手がけたのは亡くなる5年前の2015年。浜氏に直接「浜君、いい作品があがったよ」と手渡したという。

 <助けてくれと叫んだら 助けてくれと叫ばれた>

 出だしから魂の叫びを思わせる詞に、浜氏は「今の日本を象徴するような。“これはすごい作品が来たな”と思った」と心を突き動かされ、曲をつけた。

 しかし、出来上がった作品をなかにしさんに渡したものの「これじゃない!違う」と突き返されること数度。「自分なりに“これだ!”と思う作品ができた時、世の中がコロナになってしまい結局、なかにしさんに聞かせることはできなかった」と、当時は悔やんでも悔やみきれなかったという。

 その後、浜氏は「ずっと、この作品を世に出したい」と願い続けたが「なかにしさんの魂がこもった作品であるから、これは普通の歌手が歌う作品ではない。歌手とは違った表現力を持ったアーティストに歌ってもらいたい」と決意。

 そんな時、関係者から人気急上昇中の劇団を率いる小泉兄弟を推薦され、同曲を1コーラス歌ってもらったところ「ドンピシャだった」と白羽の矢を立てた。

 甘く深い歌声は、情念のこもった歌詞にぴったりで、兄のたつみは「突然頂きました貴重な経験で戸惑いもありましたが、せっかく頂きましたご縁です。日本の歌謡曲の素晴らしさが沢山詰め込まれた曲です。1人でも多くの方に届けられるように頑張ります」とコメント。弟のダイヤも「CDデビュー出来るなんて今まで考えたこともなく、すごくワクワクしてうれしかった」と話し、初のレコーディングに「緊張緊張でしたが、一流のスタッフの皆さまに支えて頂き、楽しくレコーディングを終えることが出来ました。最高にいい思い出、いい経験になってうれしかった」と振り返った。

 関係者によると、中西さんは作品を手元には置かず、すべて作曲家等に手渡してしまっているため、遺族も同作の存在を最近まで知らなかったという。なかにしさんの作詞家としての遺作は20年2月にリリースされた氷川きよし(45)の「母」が知られるが、今回はなかにしさんが世に出す“最後の作品”として注目を集めそうだ。

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