TikTokの恋愛ショートドラマで話題の荒井啓志 元ホストから転身「自分なりの個性で希望届けたい」

[ 2023年7月28日 06:00 ]

TikTokの恋愛ショートドラマ作品で「イケメン過ぎる」と話題の俳優、荒井啓志 (撮影・小田切 葉月)
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 TikTokの恋愛ショートドラマ作品で映像デビューし“令和の新スタイル”の確立を狙う若手俳優がいる。フォロワー120万人超えのクリエイター集団「ごっこ倶楽部」などで数多くの作品に出演し、「イケメン過ぎる」と話題の荒井啓志(24)だ。甘いマスクに酔いしれる女性ファンが急増中だが、実は新宿・歌舞伎町でナンバー2ホストだった経歴を持つ。飛び込んだ先で味わったことは、演技にどう生きているのか。スポニチの取材に、熱い思いを語った。

 芸能界入りのきっかけは、日本一の男子大学生、専門学校生を決める日本最大規模のコンテスト「CAMPUS BOYS 2022」でグランプリを受賞したこと。栄冠を手にする数カ月前まで、荒井は学生をしながらホストとして働いていた。宮城県仙台市から上京し、居酒屋やラーメン屋でアルバイトをしてみてからの選択だった。

 「若いからこそ挑戦できるお仕事だし、せっかく東京のど真ん中にいるから、知らない世界を見てみたい!そんな思いで始めました」

 純粋な興味から入った夜の世界。約半年でナンバー2に上り詰めたが、待っていたのは寂しさだった。世間はコロナ禍。大学はリモート授業で同級生との交流はほぼなし。5人兄弟の末っ子で、人との触れあいの中で生きてきたからこそ、余計に孤独を感じた。「大学2年の春頃から2年半勤めましたが、1番学んだのは孤独や寂しさに耐えることだったかもしれません」と振り返った。

 俳優を志したのは、そんな時だった。実は小学校1年生から高校3年生までバスケットボールに打ち込み、県の選抜選手に選ばれる腕前の持ち主。ともに切磋琢磨してきた幼なじみが、プロバスケットボールのBリーガーになった。

 「元々俳優業への憧れはありましたが“自分なんて…”という気持ちもあった。でも試合で頑張ってる姿を見て“何かしなきゃ”と思って、そのすぐ後にコンテストに応募。自分なりの個性で、人に希望を届けたかった」

 一歩踏み出した勇気は実り、芸能界入り。俳優デビューしたのは今年3月で、1分程度のショートドラマで本数を重ねて経験を積み上げている。誰でも気軽にコメントできるTikTokで、ダイレクトに反応を受け取れることもモチベーションだ。「“演技がいい”とはまだ言われたことがなくて。悔しいですけど“もっと頑張ろう”と思えます」と前を向く。

 場数が多いことは、ホスト時代に培った力との相性はバツグン。周囲から学び、求めるものを察知し、それを表現する力を遺憾なく発揮している。

 「お仕事を通してさまざまな方と接してきたからこそ、それを監督や共演者に置き換えて、相手が何を求めているのか考えながら、応えていきたい」

 スポンジの如く演技の技術を吸収を続けて来た荒井が、ついに画面の中から飛び出した。現在公演中の舞台「星に願いを。~欲望にまみれた人間達よ~」(30日まで、神奈川・ラゾーナ川崎プラザソル)で初舞台を踏んでいる。4部作のオムニバス形式で、荒井は第2部に西島駿役としてメーンキャストで出演している。「生で演技を届けるのは初めての経験。皆さんの心に何かを届けられるストーリーになっていると思うので、感動を届けられるように頑張りたい」と意気込んだ。

 目指すのは「何でも演じられるカメレオン俳優」。自分の道を切り開いてきた荒井。願いが叶う日の訪れを信じ、きょうもまた芝居に向き合っている。 

 ◇荒井 啓志(あらい・けいし)1999年(平11)6月16日生まれ、宮城県出身の24歳。バスケットボールのポジションはPGだった。好きな俳優は小栗旬。1メートル72。

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