中村逸郎教授 ポーランドにロシア製ミサイル着弾を分析「報復合戦がエスカレートする可能性」

[ 2022年11月16日 14:47 ]

東京・台場のフジテレビ社屋
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 ロシア政治を専門とする筑波大・中村逸郎名誉教授が16日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。ポーランド政府が15日、ロシア製のミサイルが同日午後、ウクライナに隣接するポーランド東部のプシェボドフに着弾、2人が死亡したと発表したことに言及した。

 ロシアのウクライナ侵攻後、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国に着弾し、犠牲者が出たのは初めて。ロシア国防省は「ウクライナ・ポーランド国境でいかなる攻撃も行っていない」と否定する声明を出した。ウクライナのゼレンスキー大統領は、NATOの集団安全保障に対する攻撃だと非難。「重要なエスカレーションで、行動が必要だ」と訴えた。一方、英BBC放送はウクライナ側による迎撃ミサイルの可能性を指摘した。ミサイル着弾を受け、先進7カ国(G7)とNATOは16日午前、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)開催中のインドネシア・バリ島で緊急首脳会合を開き、ミサイル着弾に関するポーランドの調査を支援することで一致した。

 MCの谷原章介が「ロシアのミサイルだとしたら、これは誤射なのですか。それとも何か狙いがあって打ったんですか?」と聞くと、中村氏は「両方考えられると思う」と明確に答えず、「1つは、今、ウクライナ軍の中にポーランド義勇兵が1500人近く入っている。なぜかというとウクライアの西部と、ポーランドというのはもともと歴史的にも文化的にもつながりが強いということで、ポーランドの義勇兵たちが何とかウクライア西部の人たちを助けたいということでたくさん入っている。もう1つは、首都キーウに、ロシアがウクライアに軍事侵攻して以来、最大規模のミサイル攻撃があったと報じられています」と話した。

 谷原の「ポーランド、NATOは今回の爆破(ミサイル着弾)についてどう反応すると思われますか?」には、「ポーランドは緊急の安全保障会議を開くということです。ポーランドはNATO加盟国ですので、そこが直接被害を受けたということが考えられるので、これがどんどんエスカレートしていく可能性、危険性が非常に高くなってきている」とし、「互いの報復合戦、そして、エスカレートして第3次世界大戦、そして核爆発、核爆弾が使われる可能性っていうのも高まってますか?」という質問には、「そうですね。タイミングなんですけれど、今、G20が開催されてます。そうした中で戦争非難の決議案が採択されるという流れにいきそうですので、今プーチン政権にいる強硬派の人たちが非常に強い反発心を持っているので、ウクライア、そして、もしかしたらポーランドに対して大規模な攻撃を仕掛けていく、そうした中で核使用も懸念されてくる」と話した。

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2022年11月16日のニュース