【前回の鎌倉殿の13人】第34話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「のえ 毒の顔…仲章 邪な舌」

[ 2022年9月11日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第34話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「のえ 毒の顔…仲章 邪な舌」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は11日、第35話が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第34話(9月4日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。鎌倉を舞台に、御家人たちが激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第34話は「理想の結婚」。3代鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人)と後鳥羽上皇(尾上松也)の従妹との婚姻が決まり、政子(小池栄子)の心配をよそに喜ぶりく(宮沢りえ)。一方、後鳥羽上皇は源仲章(生田斗真)慈円(山寺宏一)らと鎌倉の行く末について思案していた。そんな中、代々受け継ぐ「惣検校職」のお役目を返上するように、と北条時政(坂東彌十郎)から求められた畠山重忠(中川大志)は疑念を抱き、北条義時(小栗)に相談…という展開。

 義時は文官・二階堂行政(野仲イサオ)の孫娘・のえ(菊地凛子)との結婚を決める。八田知家(市原隼人)も「非の打ち所がない」「裏表なし。あれはそういうおなごだ」などと太鼓判を押したが、実は“裏の顔”があった。

 北条泰時(坂口健太郎)が侍女の部屋の前を通り掛かる。

 のえは「それ?(義時が贈った)きのこ。持っていきな。どうぞどうぞ、私、嫌いだから。御所の女房はもうおしまい。小四郎殿に嫁ぐってことは、鎌倉殿とも縁者ってこと。(侍女たちに)控えよ、控えよー!」と高笑い。泰時は呆然とした。

 一方、実朝の結婚相手を迎えに、時政とりくの息子・北条政範(中川翼)らが京へ向かって出発。時政とりくの娘・きく(八木莉可子)の夫・平賀朝雅(山中崇)は京におり、鎌倉の使者を出迎える準備に忙しい。仲章が朝雅を焚きつける。

 「あなた、ご自分で執権別当になる気は。あなたは本来、鎌倉殿の座を狙えるお血筋。しかし、今は北条の言いなり(舌を出して渋い顔)。上皇様は、北条がお嫌いでね。田舎者が鎌倉殿を思いのままにしているのが許せない。知ってるでしょう。上皇様とも親しいあなたが、実朝様と鎌倉を治めてくれれば言うことなし。例えばね、政範殿が突然の病で亡くなり、あなたが引き継いで千世様を連れて鎌倉へ堂々と凱旋すれば、時政殿は必ずあなたをお選びになる。政範殿は鎌倉を離れている。この意味が(囁いて)お分かりになりますか」

 朝雅は京に到着した政範を酒宴に招いた。

 「しかし、京に到着してから2日後、北条政範が突然、この世を去る。享年16。急な病であったと言われているが、真偽は不明」(語り・長澤まさみ)

 時政とりくは悲嘆に暮れた。

 今回の“大河絵”は“毒婦”のような裏の顔を持つのえ、朝雅を言葉巧みに焚きつけたを仲章を1枚にまとめた。仲章は初登場の第31話「諦めの悪い男」(8月14日)でも、阿野全成(新納慎也)の息子・頼全(小林櫂人)を討った際にも舌出し。“邪(よこしま)な舌”がトレードマークになるかもしれない。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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