島田陽子さん 全米で脚光、80年「SHOGUN現象」ドラマ大ヒット、最高視聴率36・9%

[ 2022年7月26日 05:25 ]

島田陽子さん死去

米国のドラマ「将軍 SHOGUN」に出演する島田陽子さん(中央)。右は三船敏郎さん
Photo By ゲッティ=共同

 島田さんが全米で一躍スターダムにのし上がったのは1980年「将軍 SHOGUN」のまりこ役だった。日本史で絶世の美女といわれた細川ガラシャをモチーフにした役どころで、その美貌と流ちょうな英語で全米の視聴者を魅了した。

 当初内定していたジュディ・オング(72)が歌手活動などを理由に出演を辞退したことから役が舞い込んだ。決して偶然ではなく、「砂の器」「白い巨塔」「犬神家の一族」など存在感のある演技や、流ちょうな英語が買われて製作陣によるテストに合格。世界へ羽ばたいた。

 5夜連続で放送されたドラマは「SHOGUN現象」と呼ばれるほど米国のお茶の間を席巻した。全米視聴率は平均32・6%。第3夜に最高36・9%を叩き出した。これは当時の「ミニシリーズ」ドラマとしては1977年に大ヒットした「ルーツ」に次ぐ2位。「SHOGUNの放送日は飲食店の客足が減る」という逸話が残ったほど。この大ブームによって寿司をはじめとする日本食が米国に広まっていったとされる。

 当時、島田さんの「SHOGUN」の出演料は推定2500万円と伝えられた。出演後は全米で最も知られる日本人女優となり、ロサンゼルス・タイムズ紙「1980年に活躍したスター10人」にも選出。その旋風から「全米の恋人」とも呼ばれた。

 大ブレークによってギャラも急上昇。一時、CM出演料は1億6000万円、映画出演料は6000万円~1億円とも言われた。90年代に入っても米映画に主演するなど根強い人気があり、日本が誇る「国際女優」として輝きを放った。

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