藤井王将 井山4冠から全冠制覇へ「スコアをリード」など金言 関西囲碁将棋記者クラブ賞授与式に出席

[ 2022年7月22日 15:53 ]

関西囲碁将棋記者クラブ賞を受賞した(左から)井山裕太4冠、藤井聡太王将、特別賞の桐山清澄九段
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 藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含めて5冠=が22日、大阪・関西将棋会館で、関西囲碁将棋記者クラブ賞の授賞式に出席した。会見での質疑応答では、囲碁部門を受賞した井山裕太4冠(33)から16年と17年の過去2度達成した全冠制覇の心得として、「スコアをリードする」「体調面と気持ちの切り替え」との助言を受けた。授賞式には4月の最終対局まで現役最年長棋士だった特別賞の桐山清澄九段(74)も出席した。

 「スケジュールを考えると、よく達成できたというのが実感」と井山自身、振り返る偉業。17年に雑誌の対談で、当時四段ながら史上初の29連勝を達成した藤井と対面して以来、5年ぶりの再会となった。

 「タイトル戦の勝率がすさまじい」。井山が絶賛したのは、大舞台での勝負強さだった。前日21日まで神戸市で、桐山の弟子・豊島将之九段(32)との第63期王位戦7番勝負第3局に臨み、84手で勝利。対戦成績を2勝1敗としたことで、一昨年の棋聖戦で初出場して以来のタイトル戦での戦績を33勝6敗、勝率・846とした。

 この勝率から将棋界の全8冠制覇も「チャンスはあるのかなと思う」とする。囲碁界での2度の全7冠制覇を省みて、「スコアをリードして進めることが運良く続いた。少し気持ち、スケジュール面でも余裕が持てた」と回想。7番勝負は開幕4連勝すれば全4局、5番勝負は開幕3連勝すれば全3局で終了する。勝てば勝つだけ体調面を整えられ、研究に割く時間も生み出せる。その相乗効果を説いた。

 19日に20歳の誕生日を迎えた藤井は、「(20歳は)節目ではありますが、(何かを)変えると言うよりは自分ペースを維持してやっていきたい」と抱負を語った。解禁となる飲酒については、「王位戦第3局の夕食で食前酒をいただいた」と告白。その感想については、「少量なんで分からなかった。また試してみたい」と苦笑いした。

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